(第23楽章)魔王の息子の糸を紡ぐシャノン。

(第23楽章)魔王の息子の糸を紡ぐシャノン。
 
俺はシャノンの今までクラマや他の男達から受けた数々の酷い暴言や
暴力のせいで誰も信用できず、精神も肉体も傷だらけのシャノンの心の本音を聞いた
俺は彼女の心の痛みを知り、彼女を支えたいと思っていた。
それから俺は改めてある事を決意した。
俺は自らの体内を変化させてその準備をした。
やがてその準備が終わると俺はシャノンに改めて真剣に向き合った。
そしてきょとんとしているシャノンの目の前で急に
俺は赤いセダンの前部の四角いボンネットをガバッと開いた。
シャノンはいきなりの事にビクンと体を大きく震わせた。
俺はシャノンの身体を照らしていた白いヘッドライトをパッと消した。
「ハート?これハートなの?凄くきれーい!!」
シャノンは四角いボンネットの内部を覗き、黄色い声を上げた。
四角いボンネットの内部にはエンジンやバッテリー等の
部品を組み合わせて作り出したハートがあった。
そしてハートは美しく真っ赤に輝き、ヘッドライトの
代わりにシャノンを幻想的に照らした。
これは俺事、アレックスのストレートの言葉のいらない
求婚だと理解してくれたのか迷わずこう返してきた。
「あたしもよ!貴方を愛しているわ!愛しているの!」
俺は柄にもなく嬉しくなり、ボンネットの内部の
大きなハートをより強く美しく輝かせた。
シャノンは俺、赤いセダンが喜んでいると考えたようだ。
それから俺は意を決して赤いセダンの姿から
元のアレックス・M・スタンリーの姿に戻った。
シャノンは驚きの余り。両手で口を塞いだ。
「えっ?車?まさか?変身していたの?」
シャノンは急に赤いセダンが人間、しかも15歳の少年の姿だった事に困惑した。
俺は自分の顔や容姿を認識させる結界を解除しようか迷った。
だが俺はシャノンの今後の事を漠然と考えつつも結界の解除を止めた。
俺が史上最悪の少年犯罪者アレックス・M・スタンリーだとは知らない方がいい。
それじゃまた暴力を振るい脅迫する悪い男達やそれをいい事に
セクハラやレイプまがいの悪戯をする俺よりも更に酷い悪ガキ共や
個人のプライバシーを無視するタチの悪いマスゴミ共に家の周りや道を
追い回される羽目になったらシャノンの迷惑が掛かっちまうからな!
俺はふと我に返り、自分がこんな風に他人を気遣った事に驚いた。
今まで自分がそんな風に気遣い優しくしたなんて!
何故なんだろう?俺はまだ15歳なのに?
今まで一度たりともそんな風に人に優しく気遣うなんて事が無かったのに!
確か前にもアメリカのチャイナータウンで空手道場をしているとか言う
日本人の女性が同じ日本人の悪ガキにしつこく肉体関係を暴くと脅されて
危うくレイプされかけたところを俺はまたどういう訳か。
正しくはどういう風の吹き回しか?またまたその女性に対して
無礼を働く日本人の悪ガキに対して無性に腹が立ってー。
悪ガキの顔面と胸部と腹部と尻を思いっきり蹴り飛ばしてぶん殴って追い払ったっけ?
あと俺がその悪ガキから助け出したその
日本人女性は今思い返せばなかなか美人だったな。
名前は七瀬アイルだったな。
その子は茶髪のオールバック風のポニーテールに四角い前髪。
両側から細長い茶髪がやや丸く細い顎まで伸びていた。
僅かにきりっとした茶色の細長い眉毛。
大きなぱっちりとした茶色の丸い瞳。
両耳は上向きにピンと伸びていてピンク色の唇をしていた。
しかも丁度目の前のシャノンと同じ位、丸いお尻が大きかったな。
ついでに他にも昨日の夜捕食したビリーやピートがいた頃は自分達の
犯罪行為のアリバイ作りの為に貧乏なおばあちゃん達に
店の食事やビールや日本酒を振る舞った事があったな。
でもあれはただのアリバイ作りで優しさとか気遣いとかではなかった。
今まで俺はエミリーやぺルシッサや大林や七瀬や
今回のシャノンの時のように人助けをした事は無かった。
一体俺はどうしちゃったんだろう?俺は子供なのか?それともー?
しばらくシャノンとアレックスはお互いをじっと見ていた。
間も無くしてシャノンは「愛しているわ!愛しているのよ!」
彼女はまるでうわ言の様に何度も何度も繰り返した。
続けてどこか恥ずかしそうにふっくらとした両頬を紅潮させた。
それから自らの両手で茶色のシャツとブラジャーの裾を掴み、勢い良く捲り上げた。
すると大きな丸く柔らかい両乳房とピンク色の乳首と乳輪が露わとなった。
俺は性的興奮を覚え、直ぐに衣服を脱ぎ捨てて全裸になった。
シャノンもアレックスと競うように全ての衣服を脱ぎ捨てた。
2人は静かに目を目を瞑り、お互い唇を重ね合わせた。
更にお互い舌を入れ合い、絡ませてディープキスをした。
俺は体内である異変を感じていた。
それは単一有性生殖である俺から無性生殖により新しい個体群
(つまりクローン)がまた産まれた。そんな感じだ。
それは俺の中の原始の海、生命のスープからふたつの小片が生まれ、
やがて原形質の鞘に収まった新しい染色体連鎖に成長して行き、
細胞が融合し、ひとつとなり、あの大林愛佳と七瀬アイルに
寄生同化したものと同じ種類の『新生されし俺その3』が産まれ、生存している。
大林に寄生同化したのは『新生されし俺その1』。
七瀬に寄生同化したのは『新生されし俺その2』だ。
今!俺の体内にいる『新生されし俺その3』は新しい人間の
若い女性の肉体を欲がっている事を知っている。
つまりそいつも最初に出た2つの『新生されし俺』のように俺の外に出たいのだ!
だから俺は『新生されし俺その3』を外へ出してやる事にした。
目の前に丁度、俺とのセックスを望んでいる女がいる。
俺は素早くシャノンの背後に回った。
続けて俺はシャノンをガレージの床に四つん這いにさせた。
シャノンは嬉しそうに両掌をガレージのコンクリートの上に付けた。
俺はそれに満足した。俺はどうも立ちながらするのは苦手で
あんまり得意ではないのである。
俺は背後から大林や七瀬にしたようにシャノンの白い肌に覆われた
柔らかい大きなお尻をゆっくりとムギュっと両手で掴んだ。
「ああっ!はっ!」とシャノンは微かに小さく喘いだ。
それからすかさず俺は自らの腰を素早く前後に振り始めた。
俺はこうして『新生されし俺その3』を外に出すように促した。
すると俺の体内にいた『新生されし俺その3』は俺の身体を通して
どんどんシャノンの胎内に侵入して行った。
同時に俺はまるで最初からそうだったように止め止めなく
彼女の子宮に大量の暑い液体を注入し続けていた。
一方シャノンの白い肌に覆われた僅かに垂れた張りのある大きな丸い両乳房と
胸元まで伸びた長い金髪も素早くプルプルとユラユラと揺れ続けていた。
俺はシャノンの両乳房はさほど大きくないのに対してとても
大きく形が整った丸いお尻を見ている内に自然と性的興奮が高まって行くのを感じた。
そして俺の心臓は今まで以上に早く脈を打ち高鳴っていた。
一方シャノンは両頬と深い胸の谷間を紅潮させて口を大きく開けて額にしわを寄せた。
「ああっ!ああっ!ああっ!ああっ!あれっ?ああっ!ああっ!ああっ!」
シャノンは自らの胎内の異変に気付いた。
「ああっ!どうして?射精しているのぉ?まだ!イッていないのにっ!ああっ!」
シャノンは激しく自らの大きな丸いお尻と両乳房と胸元まで伸びた金髪を
ブルブルユラユラと前後に揺れ続けているのを感じる中。
自らの胎内に大量の暑い液体が注入されるのを感じ続けた。
シャノンは性的快楽に溺れており、気分は最高で気持ち良かった。
シャノンは荒々しく息を吐き続けた。
「ハアッ!ハアッ!ハアッ!ハアッ!ハアッ!ハアッ!ハアッ!ハアッ!」
続けて甲高い声で喘ぎ続けた。
「ああっ!ああっ!ああっ!ああっ!
いいっ!いいっ!いい子!いい子!ああっ!ああん!」
そしてシャノンは性的快楽に溺れる余り、全く気付いていなかったが
彼女の胎内に侵入した大量の液体の姿をした『新生されし俺その3』
は胎内の粘膜から肉の壁に侵入し、特殊な消化液で消化して
それを養分として『新生されし俺その3は』は
シャノンの細胞を取り込んで同化して行った。
勿論、大林愛佳も七瀬アイルもシャノンと同じ方法で寄生同化されたのである。
更にそれは恐ろしい速さでシャノンの子宮を
中心に次第に全身の肉体に広がって行った。
徐々にシャノンの肉体は『新生されし俺その3は』に
どんどんどんどん、全身の細胞を消化されて取り込まれて同化して行った。
それは本来細胞が傷つけられる為、耐え難い激痛を感じる筈だが。
シャノンの場合はアレックスとのセックスによって性的快楽に溺れ、
脳内から大量のアドレナリン等の麻酔物質を
全身に放出している為、全く全身の痛みは感じなかった。
そして自らの肉体が喰われて同化されているという自覚は無かった。
こうしてシャノンの人間の細胞は全て『新生されし俺その3』
つまり魔獣ホラーの細胞そっくりとすり替えられて行った。
勿論、見た目も全く変化がなく。
四つん這いでアレックスにガンガン背後から腰を突かれている自分の姿を
見ても鏡に映るのはプルプルと前後に揺れている大きな丸いお尻も
美しいスレンダーで肉付きのある背中も張りのある大きな丸い両乳房も
プルプルプルと前後に揺れているが元の白い肌を保っていたし、
ユラユラと揺れる胸元まで伸びた金髪も元の金髪のままで瞳も榛色のままだった。
勿論、人間の姿もちゃんと保たれていた。
やがてアレックスも本来の動物的な原始的な本能に支配されて行くのを感じた。
そんな中、俺は彼女の胎内から全身を侵食している『新生されし俺その3』が
肉を喰らっているのにも関わらず彼女の全身の血液とシャノンの記憶と意識自我を持つ
魂には一切見向きもせず、そればかりか受け付けず残っている事に気づいた。
「どうも好き嫌いが目立つな」と僅かな我の中でそう思っていた。
やがてそれも彼女と共に性的興奮が高まると共に一時的に消えた。
アレックスは両頬を紅潮させ、両瞳を大きく見開き、まるで獣のような咆哮を上げた。
「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!」
同時にアレックスの口はビリビリと耳まで裂けた。
続けて下顎も真っ二つに裂けて4対の牙が生えて来た。
更に2対の太く長い触肢を伸ばした。
また背中の皮膚が裂けて太い蜘蛛の肢が2対生えて来た。
間も無くしてシャノンと俺は性的興奮が絶頂に達した。
またその様子をガレージの隙間からたまたま夜中に散歩していた
イスラムの青年アヴドゥルが目撃していた。
彼はその悪夢のような光景にただただ恐怖を感じていた。
 
(第24楽章に続く)