(第64楽章)ラクーンシティの市長と署長に裏切られた娘が生きている??

(第64楽章)ラクーンシティの市長と署長に裏切られた娘が生きている?

 

アリスは熱心にFISCHRRS(フィッシャーズ)達や母親のジルに

真・女神転生Ⅱ』のキャストやストーリーを説明し続けた。

「今回は三部作で今日公開されたのが二作目で。

最終作はえーと2022年か2023年に公開されるって。」とアリス。

「この2作目のラストはメルカバ―とルシファーと

人間の最終戦争になる予定なんだね。

ネットや公式サイトやツイッターに書いてあったな」とモトキ。

「へえーそうなんですか?神や悪魔が出てくる映画ね。」

ジル達が驚いて声をした方を見るとそこにさっきからホルモンやレバー肉を受けて

運んでいた胸元まで伸びた茶髪のツインテールに丸顔のアルバイトの

アメリカ人の女の子が立っていた。

更にジルはそのアメリカ人の女の子に何故か見覚えがあった。

つい彼女は失礼を承知の上でじっくりと彼女の顔を観察した。

胸元まで伸びた茶色のツインテール。ニッコリと笑顔を浮かべる丸顔。

茶色の細長い眉毛と榛色の瞳。丸っこい鼻。ピンク色の唇。

やがてジルはおずおずとこう尋ねた。

「あのーもしかして?キャサリン・ウォーレンさん?」

するとアルバイト女の子はフフフッと笑って見せた。

「どうでしょうかね?私はキャリーです!」

「そっ!そうですか?あははっ!流石に有り得ませんよね?」

ジルは力無く笑った。キャリーはくすくすと笑った。

「いいですよ!もしかしたら?本当かも知れないし!」

そう言うとキャリーは都市伝説について話し始めた。

「実はそのキャサリン・ウォーレンって人はラクーンシティ

ブライアン・ライアンズに剥製にしたいと言う理由で殺された。でもね。

偶然にもブライアンを襲った『G』と言う生物がたまたまキャサリンの遺伝子と

『G』と言う生物の遺伝子が近似性が多かったのでそのまま胚を植え付けられたの。

更に幸運な事にアンブレラ社のネストの研究員の日本人の手によってGウィルスの

ワクチンを投与されてそして二人で協力してラクーンシティを脱出して。

そして今はこのニューヨークの街のどこかで生き延びているとか?」

「そう言えば。その都市伝説はまだ紹介していないなぁ」

「しかもラクーンシティ脱出後に不老不死となったとかってあったわね。

でも!本当かはどうかしらね?それじゃ!ゆっくり!」

それからキャリーはニコニコ笑い、ジル達のいる個室を出て仕事に戻って行った。

「本当にさー!ラクーンシティの都市伝説の通りの不老不死ってあるのかな?」

「そう言えば!ジルさん!最初にあった時よりも滅茶苦茶若く見えますよね。

なんか不思議ですよね。だって!なんなんだろう!」とシルク。

「うーつ!まあー気のせいよ!ちょっと色々!」

ジルは色々応えようとするがどこか説得力に欠けてしまい

余り信じられる話には到底、聞こえなかった。

「まっ!まあ―色々あったんだよ!プライベートだし!」

困り果てているジルにモトキは助け舟を出した。

「そうだな!プライベートだし!」とシルクはそう答えた。

「あまり個人情報は詮索しない方いいですね」とンダホ。

そこでジルの若返りの話題はおしまいとなった。

それから焼き肉を全員腹一杯食べた後、満足な表情をジル、ンダホ、アリス。

シルク、ダーマ、モトキはお互い笑い合いジルが

全員の会計を済ませて焼き肉店を後にした。

帰り道の電気屋の街頭テレビにはあるニュースが報道されていた。

「既に宇宙へ飛び去ったものと思われていたあのスパニッシュハーレムに

出現したピエロ型の宇宙人が乗るサーカスのテント型のUFOがアメリカの

ニュージャージ州で目撃され、その森の中の廃遊園地の敷地内に着陸

したものとアメリカ政府から公式に発表がありました。

これからキャンプや登山をする観光客や若者グループを中心に人々が

徐々に増えつつある現状を踏まえ、アメリカ政府は国外の観光客や

国内の観光客はこのテレビやラジオでニュースを知った場合。

森の中で怪しいピエロの集団や彼らが住処にしている廃遊園地やサーカスのテントを

見かけたら決して近づかぬようアメリカ政府やニュージャージ州各地の観光客の

ツアーや旅行する会社に注意を呼び掛けています!

皆様も登山やかキャンプ、旅行や観光をする時は用心して下さい!

身の危険を感じたら直ぐに光線の届かない場所へ逃げて下さい!繰り返します!

皆様も登山やキャンプ、旅行や観光をする時は用心して下さい!

身の危険を感じたら直ぐに光線の届かない場所へ逃げて下さい!

彼らは更に食料と繁殖相手を求めている可能性が!」

「ピエロの宇宙人?サーカスって?楽しそうだけどなー」とシルク。

「とんでもないわ!あいつらかなり危険な連中よ!

下手するとまた人間の生活を脅かすかも。」とジルは鼻を鳴らしてそう言った。

「でもママ!自分達の種が滅亡しそうになったから地球に来たんでしょ?

困っていたんでしょ?」とアリスはママのジルにそう言った。

ジルは少し困った表情をしたが真顔でこう答えた。

「ええ!でもそれは人間の種を脅かす事になるかも。」

外来種と言ったところだね。彼らも。」

「でも?生きているんでしょ?人間とは違う食べ物でも姿形でも!

お互い仲良く出来ないの?理解し合えないの??」

アリスの素朴な疑問に全員黙ってしまった。

やがてシルクは静かに口を開いた。

「あいつらとさ!俺達人間と同じ価値観が存在するか?そもそも分からないし……」

「あいつらと仲良くできるかと言うと自信ないなぁ」とモトキ。

「うん!ドッキリならあまり受けなさそう!」とンダホ。

「だな!むしろ!あれが出てきたらビックリするよな!」とシルク。

「でも僕はリアクション王だから平気かも?」とモトキ。

「確かに割と冷静に『こんにちは』ってあいさつしそうだな」

シルクは想像を膨らませてニヤニヤと笑って見せた。

「そうだね!モトキ君の弱点は『ザ・ソース』か

シュールストレミング』だけだよね」

ンダホの指摘にシルク、モトキ、ダーマ、ジル、アリスも一斉に笑い出した。

「確かに」とシルク。

「あれはヤバいもんね」とンダホ。

「あの電気式のこたつだっけ?テーブルと部屋しばらく臭かったね。」とモトキ。

「俺なんか。誰かのくしゃみで顔にかかって死にかけた。」とシルク。

「もう!あれを部屋の中で開けるのはやめた方がよさそう」とジル。

「でも!みんなのリアクションとても面白かったよ!」とアリス。

するとモトキとダーマ、シルク、ンダホは嬉しくなり笑顔になった。

それから焼き肉店の外の建物と道の間にある裏路地の奥にあのキャリーと

白いシャツを着たオールバックの茶髪に茶色の眉毛に榛色の瞳の男が歩いて

行くのが見えた。ジルはどこかで見覚えがある気がした。まさか?まさか?

やがて二人は闇の中へ消えた。それから焼き肉店で腹一杯焼き肉を食べた

ジル親子とFISCHRRS(フィッシャーズ)一行はジルの家へ戻って行った。

そして家に着く頃には時計の針は8時を過ぎていたのでアリスはジルと一緒に

歯磨きして今度はアリスはンダホとシルクの中央に挟まれて川の字で寝室のベッドの

上でぐっすりと眠りについた。ジルはまたこっそりスマホで写真を撮った。

そしてダーマとモトキに見せた。スマホの写真にはー。

ダブルベッドの右側にンダホ。中央にアリス。右側にシルクが仲良く並んで川の字で

ぐっすりと眠っている様子が鮮明に映し出されていた。

またダーマとモトキには前撮影したアリスとモトキとダーマの写真を見せた。

二人は静かにクスクス笑った。それから二人には写真は思い出ならいいよ。

と本人に許可を貰った。するとジルは小声で「やった!」と呟き、拳を上げた。

勿論朝になったらシルクとンダホに許可を貰うつもりだった。

それまでジルはスマホの写真を大切そうにデータに保存した。


Ennio Morricone - The Thing (theme)

 チェルシー地区の焼き肉店と建物の間にある裏路地。

そのうす暗い裏路地で男女が話していた。

「それで?写真は何が起こったの?アルカード!」

「それはな!キャシー!丁度、君が働いていた一時間前。

チェルシー地区の広場に未確認飛行物体のUFOが天空の歪みから出現してね。」

「それで?そいつが?一体何なのよ?」

「じつはそのUFOだか知らないが例の謎のタコの触手をしたUMA(未確認生物)

によって誘拐された20代から30代の若い女性達が

氷の巨大な塊に閉じ込められて。」

「それで?人間の若い女性が入っている氷塊は?」

「えーと寸法は約2X4m。高さは1m位かな?」

アルカードは写真を取り出し、キャシーに見せた。

写真にはチェルシー地区の広場に所せましと大量の正確な人数は不明だが。

多数の長四角形の氷塊が並べられていた。さらに天空には巨大な正に未確認飛行物体の

UFOと思われる円盤が上空の大画面を覆いつくさんばかりに飛んでいた。

またUFOからあのタコ型のUMA(未確認生物)

の触手が2対まるでリボンのように伸びていた。

「こっ!これが?あの広場に???」

「信じられないだろ?でもマジだ!目撃したのはニューヨーク市内の警察官多数と

一般人不特定多数、ボロボロのホームレス達。確かに自分の眼で見たと証言している」

アルカードはまた別の写真をキャシーに見せた。

別の写真にはあの大量の氷塊の内の一つを拡大して映したものだった。

氷塊には確かに若い女性が入っていた。しかも氷で覆われているものの

確かに女性らしき顔や全身や輪郭が透けて見えていた。

氷塊の中にはあの秘密組織ファミリーの本部へ行ってそのまま失踪した彼らの仲間。

つまりNSA(アメリカ国家安全保障局)のPRSM(監視プログラム)

のスパイの女性だった。間違いない!でも?どうして??

「まさか?アイリス!どうして彼女が氷塊の中に??」

「分からん!ただもしかしたら?あのファミリーと協力した

MSS(魔人警察)と何か関係があるんだろう!間違いなくね!」

「MSS(魔人警察)って?魔獣だか魔人ホラーだかの特殊部隊が??

じゃ!私達は利用された訳ね!」

「残念ながらそうなるな。彼女も他の女の人も全員、あの魔獣新生多神連合の

魔獣ホラーや神々や悪魔達が仕掛けた罠にまんまと引っかかったんだ!」

キャリーは怒りを覚えて拳をギュッと握った。

「許さないっ!よくもあの子を利用して!アメリカ国民の女性達も!」

「だが今更気付いたところでもう後の祭りさ!あとで連中のところに

乗り込んだとしても!きっと連中はしらばっくれる!

結局のところ俺達やアメリカ国民は連中の道具だったって訳さ!」

「だとしたら?魔獣ホラーや神々や悪魔って恐ろしく。」

「狡猾さ!しかも人間達よりも高い知能を持っている!」

「現在の状況はどうなっているの?」

キャリーに現在の状況を尋ねられてアルカードは淡々と説明を続けた。

「現在!例のアイドルグループ『G会』の新型ウィルス兵器と魔獣ホラーによる

惨殺事件の後に休む間もなく、しかも隊員に死傷者が出た中、

BSAAとブルーアンブレラ社の特殊部隊が現場に向かった。」

 

(第65楽章に続く)