（第３４章）魔女王の生贄
魔女王ホラー・ルシファーはまた左脚を弾丸の様に射出した。
そしてまるで楽しむようにエアの胸部や胸部や腹部、右肩を蹴り続けた。
しかし負けじとエアも左脚を弾丸のように射出し、必死なまるで鬼のような形相で
魔女王ホラー・ルシファーの胸部、腹部、右肩を蹴り続けた。
大砲のような爆音は広場一面に響き渡り、まるで地震のように上下左右に揺れ続けた。
しばらくエアと魔女王ホラー・ルシファーは激しく蹴飛ばし合った。
更にお互い激しく頭突きを何度も繰り返した。
ガンガンと頭突きを繰り返す内にお互い頭がくらくらした。
しかしそれも両者はストークスを巡る激しい闘争を終わらせようとしなかった。
子孫を残す為の野生動物の闘いだった。
更に急に魔女王ホラー・ルシファーは呼吸を止めた。
同時に両腕と両脚が目にも止まらぬ速さで動き始めた。
しかしエアは両腕や背中の真っ赤に輝く無数の剣が集合して出来た翼で防御する
間も無く目にも止まらぬ速さでしかも一瞬の間が開く事無く超強力な最長連打
をまともに受けた。エアは顔面、両肩、胸部、腹部、両脚の皿の骨、両腕に何重も
連打を喰らい続けた。エアはあっという間に凄まじいスピードで真っ赤に輝く
床を激しく靴底を削り、一気に後退して行った。
エアは苦しそうな表情を浮かべた。
エアは真っ赤に輝く板に覆われた金属の壁に激しく衝突した。
さらに追い打ちをかけるように魔女王ホラー・ルシファーの最長連打は続いていた。
そして真っ赤に輝く分厚い板に覆われた鉄の壁が背になり、
更に目にも止まらぬ超高速の拳や両足はエアの顔面、両肩、胸部、
腹部、両脚の皿の骨、両腕に凄まじい何重も連打を喰らい続けた。
エアは防御はおろかそれ以上後退する事も左右に転がって
回避する事すら出来ずその場で全く身動きが取れなく無くなっていた。
マズイ！このままじゃ！殺される！くっそう！
しかし全身の激しい痛みに耐えられず絶叫した。
「ぐっ！あああああっ！ぐあああっ！ぐううううっ！くぞおおおっ！」
エアはこの魔女王ホラー・ルシファーの最長連打に抗おうと
「うおおおおおおおっ！」と雄叫びを上げた。
そしてエアは一気に前進しようと力強く一歩を踏んだ。
続けて目にも止まらぬ速さで右腕を水平に伸ばした。
ドオン！と言う大きな音と共に弾丸のように撃ち出された。
右掌が魔女王ホラー・ルシファーのばっくりと開いた
無数のオレンジ色の目玉が多数集合している胸部に直撃した。
同時にエアは魔女王ホラー・ルシファーの胸部の目玉がブチブチと
潰れて行く嫌な感触を覚えた。不意を突かれた魔女王ホラー・ルシファーは
両脚は真っ赤に輝く分厚い板に覆われた金属の床から離れた。
魔女王ホラー・ルシファーの巨体は空高くふわりと浮かんだ。
そして右斜めに目にも止まらぬ速さで吹っ飛ばされた挙句に
真っ赤に輝く分厚い板に覆われた金属の天井に激突した。
魔女王ホラー・ルシファーは真っ赤な分厚い板に覆われた金属の床に落下した。
魔女王ホラー・ルシファーは荒々しく息を吐いた。
魔女王ホラールシファーはその場に立っていたが全身がブルブルと激しく震え出した。
魔女王ホラールシファーはがっくりと両膝を真っ赤な分厚い金属の床に付けた。
魔女王ホラールシファーは座り込んだまま何が起こったのか
分からないと言う素振りを見せた。しかしそれが何か理解すると
魔女王ホラールシファーは口元緩ませてニヤリと笑った。
そして一言「掌底付き！」とつぶやいた。
しばらく魔女王ホラールシファーはエアの掌底付きをまともに食らい、
荒々しく息を吐き、がっくりと両膝を真っ赤な分厚い板に覆われた金属の床に付けた。
そして座り込んだまま立とうとしたが全身がガクガク震えて立てずその場で全く身動きが出来なかった。するとエアがそれを勝機と考え、素早く真っ赤に輝く
分厚い板に覆われた金属の床を一気に踏みしめて駆けた。
「うおおおおおおおおおおおおおおおっ！」とエアは雄叫びを上げた。
しかし次の瞬間、エアの背後から大声で「まってえっ！」と言う声が聞こえた。
エアは駆けるのを止めて後ろを振り返った。
するとエアの背後にエアの母親のアンヘラが真っ赤に輝く分厚い板に覆われていない
金属の床の小さなダクトの中から飛び出して、その真っ赤な分厚い板に覆われた
金属の床に立っていた。アンヘラはゆっくりとエアと魔女王ホラールシファーの方へ
近付いて行った。すると大慌てでエアは大声で叫んだ。
「ダメだよ！ママ！危険だああっ！早く！早く！避難して！」
ＨＣＦセヴァストポリ研究所の入り口の重い鋼鉄の扉の前で茶髪の日本人女性が
小型のパソコンを操作して電子パスワードを解読していた。
彼女は反メディア団体ケリヴァーの最後の生き残りだった。
彼女は右手に『新型Ｔ－エリクサー（仮）（Ｅ型特異菌遺伝子有り）』の入った
ジェネラルケースを持っていた。つまり察するに盗み出す気である。
やがて電子パスワードの解読が成功し、重い鋼鉄の扉がプシューと空気が
抜ける音と共に開いた。その先は出口である。
しかし開いた出口の先には金髪の１０歳未満の女の子が立っていた。
まさか？ＡＩ（人工知能）アポロのホログラフィ？？
その１０歳未満の女の子は静かに口を開きこう言った。
「貴方達、反メディア団体ケリヴァーはみんなここで死ぬ」
その瞬間、１０歳未満の女の子は目にも止まらぬ速さで移動した。
続けて茶髪の日本人女性の右首筋に小さな右手でチョップを炸裂させた。
同時に茶髪の日本人女性は目の前が真っ暗になった。
茶髪の日本人女性はあっと言う間に金属の床に仰向けに倒れた。
１０歳未満の女の子は赤い服のポケットから長いゴムと注射器を取り出した。
また注射器のシリンダーに真っ赤な血液を注射針に通して入れた。
真っ赤な血液の入ったガラスの試験管のラベルにはこう書いてあった。
１０歳未満の女の子は茶髪の日本人女性をエレベーターに乗せたまま
エレベーターの扉を閉めるボタンと下の階へ行くボタンを押した。
そしてエレベーターを起動させてセヴァストポリ研究所地下の深部へ
向かって静かに降りて行った。そう、魔女王ホラールシファーと
エア・マドセンが激しい戦いを繰り広げているあの特性商品テスト広場へ。
ＨＣＦセヴァストポリ研究所の深部をエレベーターで降りている間。
魔人フランドールは片手に茶髪の日本人女性の襟首の服を持って
真っ赤な瞳でエレベーターの回数を何度も何度も確認した。
魔人フランドールは心の中で何度も呟き続けた。
おねがい。おねがい。間に合って！！間に合って！！
あのエア・マドセンのお母さんが行動に移す前にっ！！
さあー早く！早く！下へ！下へ！下へ！急いで！急いで！！
魔人フランドールはエレベーターの中で焦った表情を浮かべていた。
そんな彼女のはやる心を尻目にエレベーターはゆっくりと下へ下へ降りて行った。
ちなみにさっき気絶させた茶髪の日本人女性はエレベーターの
床にうつ伏せに倒れて失神していた。
ＢＯＷ（生物兵器）及びウィルス兵器開発中央実験室深部の特性商品テスト広場。
アンヘラはハアハアと息を吐き、震える足で一歩進み、
すーつと自分の息子のエアの真横を通り過ぎた。
「なっ！」とエアは振り向き、驚いた表情を見せた。
アンヘラは一歩一歩確実に掌底突きを受けて全く動けずに座り込んでいる
魔女王ホラールシファーのところまで近付いた。
アンヘラは魔女王ホラールシファーの前で立ち止まった。
静かに口を開き、震えているものの強い意志でこう言った。
「取引しましょう！魔女王ホラールシファー！！」
魔女王ホラールシファーもエア・マドセンもアンヘラの言葉が最初は理解出来ず
すっかり迷ったか戸惑った表情を浮かべていた。
しかしすぐに魔女王ホラールシファーはアンヘラの取引とは何なのか理解した。
その瞬間、エアが絶叫するかのように母親アンヘラにこう訴えた。
「ダメだ！ママ！それじゃ！ママはっ！ママは死んじゃう！
あいつなんかに血肉魂を与えちゃ！駄目だあっ！」
エアはそれを止めようと走り出した。
しかし魔女王ホラールシファーは右掌をエアに向かって差し出した。
同時に真っ赤な超分厚い結界の壁を形成した。
エアはその真っ赤に輝く超分厚い結界の壁に衝突し、弾き返された。
母親アンヘラは息子のエアの方を茶色の瞳で見た。
仰向けに真っ赤な分厚い板に覆われた金属の床に倒れつつも
フラフラと足元ふらつかせて起き上がった。
エアはまた雄叫びを上げて真っ赤に輝く超分厚い結界に突進した。
（第３５章に続く）
