(第47章)奇跡を起こすM神社の現人神(アラヒトガミ)を探せ!!

(第47章)奇跡を起こすM神社の現人神(アラヒトガミ)を探せ!!

 

HCF保安室。

ようやく半分位、トイレ掃除を終えたマッド、ウース、ジョゼフ。

デニス、ドナルド、マイクの6名はブレス保安部長のいない間、

こっそりと休んでいた。

それから6名は他の5名の隊員達と噂話をしていた。

このD市街にはなぜか日本の神社があるらしい。

日本の神社はM神社と言うらしく奇跡を呼び起こす力があるらしい。

緑の人間大の赤い眼のアマガエルの姿らしい。

お参りすると奇跡を起こすらしい。

「胡散臭いな。何もしないでー。いや、どこかの唯一神みたいに

信じれば救われるとかそんなんじゃないのか?」

「信じれば救われると言っておきながら何もしない。」

唯一神はマジで胡散臭えからな!!」

「でも彼女は違うらしい。さてと信じるか信じないかはあんた達次第だが。

俺はM神社に行こうと思う。」とウースは決断したように大声でみんなに伝えた。

マッド達がガヤガヤと騒ぎ何か話し合っていた。

さてさてどうするのか?皆話し合いを続けた。

「つまりその矢守神だっけ?何の奇跡をお願いするんだ?」

「とにかく。だが。エアとストークスが元気になるように奇跡を願うと言うもんだが。

「とにかく。だな。何もしないよりはいいかな?」

「うーむなーるほどー」と全員納得した。

間も無くしてマッドはウースに質問した。

「そしてさー。そのM神社の神様ってどんなさー」

「あっ!えーとーそのー矢守神はなーそのー」

マッドが困っているとグーフィはやれやれとした表情で

マッドの代わりにM神社の話をパソコンで調べた。

やがて調べ物は終わり、グーフィはマッド達に説明した。

「どうやらM神社には現人神(アラヒトガミ)

がいてMの土着神とMの神霊がいるらしい。

奇跡を起こす力持っているのは現人神(アラヒトガミ)であるようだ。

どうやら巫女なんだとさ。」

「へえーその現人神(アラヒトガミ)に頼めば奇跡を起こしてくれると?

とにかくその噂のM神社に行ってみようか?」

「今は完全にボロボロになってて誰もいないらしいよ。

本社はどこかに行って。ここにはもう無いらしい。

でもおかしいなー本当は日本の諏訪地方にいたらしい。

しかもどうやら八百万の神ヤオヨロズノカミ)だってさ。

なんでアメリカのこんな場所に移したんだろう?」

「さあ―知らんな。色々あったんじゃないか?

例えば誰にも信仰されずに相手にされなくて困ったから?つまり信仰が

余りされなくなったからアメリカで新しく信仰を集め直そうとしたから?」

「でもここでもうまく行かないからまた別の土地に移ったとか?」

「でもそれよりも用があるのは現人神(アラヒトガミ)の方だろ?」

「ただ今もあそこにいるかどうか。分かんないよなー」

マッドは悩ましいと言う表情をしてうーんと大きく唸った。

「確かにあそこにはもういないのかも知れないね。」

グーフィも困ったようにまたいつもの癖で片手で頭を掻いた。

「いる可能性。または来ている1%の可能性に掛けるのは?」

すかさずマッドとグーフィがそう提案した。

しかしマッドもグーフィも他の隊員達もM神社へ行くか迷っていた。

だがウースは一人立ち上がり、身振り手振りで大声で主張した。

「おいおいおい。ブラザー達よ!大親友であり!俺達の仲間が大事な肉親を失って!

落ち込んでいるんだぞ!それを無視すんのか?俺達は仲間じゃないのか??

ここは確かに非人道的な場所さ!でも!俺達には人道があるじゃないか??

そうだろ!!ブラザー!!おい!あんた達には心が無いのか?

仲間が苦しんでいるのに何もしないのか?俺達はなにがなんでもM神社に行ってやる!

いいか?!これ以上!!あいつが泣き叫んで苦しんでんのなんて!もう見たくない!

俺達は人間なんだ!それに少し位!神頼みしたって罰は当たんないだろ??」

ウースが熱心に周りの隊員達に主張する中、次第にマッドやグーフィや

他の隊員の心に変化が起こっていた。

「そうだな!そうだぜっ!」とエンリコ。

「ブラザーが苦しんでいる!それを救えるのは俺達だけ!!」とケイシー。

「よし!行ってみよう!そのM神社へ!」とドナルド!

そう言ってほとんどの隊員達は一人づつ自分が座っていた椅子から立ち上がった。

デニス、ジョゼフ、ディヴ、マイク、リッチー、グーフィも

ウースの意見に賛同した。とうとうマッドも椅子から立ち上がった。

どうやら全員の意見が一致したらしい。

「だがまずは保安部長に許可を取らないと!」

そして12目の隊員はブレス保安部長の保安室を訪れた。

12名の隊員は都市伝説のM神社について話した。

彼らは熱心に自分の息子のエアを救いたいから自分に出来る事を

みんなやりたがっていると伝えた。ブレス保安部長は元々は神様や

物の怪の類や幽霊を全く信じていなかった。

今回のM神社についても奇跡を起こす現人神(アラヒトガミ)の話も

余りにも突飛な話過ぎて信じられずにいた。

しかしそれでも隊員達は「自分でも何かできる事をしたい」

「何もしないで指を咥えてエアが苦しんでいるのは見たくない」

熱心にブレス保安部長に主張し続けた。そして隊員達の説得が功を奏した。

ブレス保安部長は隊員達にM神社の現人神(アラヒトガミ)を訪ねるのを許可した。

多分、今の自分が息子のエアの心を救う為にしてあげられるのはこの位だと思った。

保安部隊の隊員達はブレス保安部長の車を借りて大昔のD市街の地図を頼りに

M神社へ向かった。しかし余りにも昔過ぎて何処がどこ道で

何処に繋がっているのか全く分からなかった。

そして案の定、道に迷ってしまった。

それでも隊員達は決して諦めずM神社を探して廃墟となったD市街地を走り続けた。

更に車の中で保安部隊隊員達はエアの精神を救う為にD市街地のM神社の位置を

あの例の都市伝説のサイトからパソコンのコピー機能を利用して

コピーしたもっと詳しく書いてある手書きの地図も頼りにした。

この手書きの地図は趣味で都市伝説を集めているアメリカ人女性の

管理人が書いたものである。地図の一番端にはこの地図の作成者

『モイラ・バートン』と書いてあった。

確か元STARSの隊員のガンマニアのバリー・バートンの娘だったな。

今はテラセイブで働いているとか?意外にこんなものが好きなんだな。

ちょっとびっくりだな。と全隊員そう思った。

まあまさかここにHCFがいるとは思っちゃいないだろうけど。

こんな偶然もあるもんだな。

D市街地はその手のオカルトマニアや

都市伝説マニアには案外有名なところなんだろうな。

多分、彼女もHCFの事は全く知らないだろう。

たまたま都市伝説が一杯あると言うだけで。多分、エリア51と同じようなものだ。

一応、ブレス保安部長には報告しとくか?それでもモイラはきっとこの場所に

HCFセヴァストポリ研究所がある事は全く知らない。

口封じだけは勘弁しておくようにと念の為にブレス保安部長にも

HCF上層部にもちゃんと伝えておこう。また言われの無い罪で

こんなところに連れて来られちゃ余りにも気の毒過ぎる。全員同じ意見だった。

そしてそうこうしている内に車はようやくM神社があると

思われる場所のエリアまで近付いた。そしてウーズが運転する中、

マッドとグーフィや他の隊員達は神社の鳥居や建物が無いか

しっかりと目を凝らして観察し続けた。

もうすでに空は暗くなり、夕日になっていた。

朝と昼からランチを喰って夕方までM神社を求めて

あっちこっちのD市街地を走り回ってもうヘトヘトだった。

何人かはいびきをかいて車の椅子に座ったまま動かない隊員が数名出ていた。

また夜食のサンドイッチを食べる隊員も何人かいた。

理由はD市街地が広過ぎるのと昔をよく知らないから同じところを

何度も何度もぐるぐると走り続けるのを10時間以上繰り返していた。

しかしあとはM神社の建物や鳥居さえ見えれば!!!

そしてマッドがとうとう大声を上げた。

「あった!あったど!M神社の鳥居が!」

「よし!よし!よくやった!マッドよ!よし!ここだな!!」

ウースは嬉しそうに車をM神社前に停めた。

そしてウースやマッドを初め、他の隊員達は車を降りた。

鳥居は所々、ボロボロで赤い塗装が剥げていた。

隊員達が鳥居をくぐると荘厳な神社の建物が見えた。

しかしやはり放置されて長い年月が経っているのだろう。

 

(第48章に続く)