(第50章)ファントムの遺物

(第50章)ファントムの遺物

 

ダニア博士はまた改めて目の前のモニター画面に

表示された異生物の異生物の写真を見た。

その異生物の成体は周囲の生物の動きを感知する

センサーの頭部の他にも特徴があった。

異生物の成体の右腕は異常に長く伸びており、急激に変異していた。

更に爪すら長く変形して発達した事により、巨大な死神の鎌のような右手だった。

左腕は普通の人間の腕と手をしていて白い肌に覆われていた。

両脚も膝も待っ茶色の分厚い皮膚に覆われていた。

両脚も人間と変わらず。報告書によればぴょんぴょん跳ねるように移動して

右腕の鎌で切り裂いて攻撃してくるようだ。

それもバリエーションとして他の成体の写真も見てみた。

バリエーション成体の特徴は以下の通り。

大きく捻じれた三角形の頭部に表面は無数の鋭い棘に覆われていていた。

更に左右には真っ赤に輝く昆虫の複眼があった。

更に下部には4対の鋭利な細長い牙が生えていた。

右腕と左腕は異常に長く伸びていて急激に発達していた。

両手は細長い鉤爪が生えていた。

両腕から全身と膝までは茶色の分厚い鎧に覆われていた。

しかもそれはやはり鎧の様に強固である。

そして両脚の膝から下は人間と同じ真っ白な肌に覆われていた。

背中からは2対の第の両腕が生えており、こちらも異常に発達していた。

胸部は分厚い茶色の鎧のような皮膚の中央の空間には青緑色に輝く球体があった。

しかも内部は透けて見えていてピンク色の球体の臓器のようなものが4つ見えていた。

下腹部は茶色の分厚い鎧のような皮膚に強固に守られていた。

そしてこいつらが日本人分子生物学者とアメリカ人女性の分子生物学者を襲って

交尾してあのSHB(サイレントヒルベイビー)を妊娠させた個体群だ。

他にも報告によると10歳位の茶色の柔らかい皮膚に

顔全体が口で4対の牙が生えていて。

口内から先端に2対の鋭い牙を持つ1mか2mの長い舌を伸ばして攻撃する

小型の人型固体や顔全体が口で4対の牙を生やした別の人型の個体は

口内から球体状の赤い光線を遠くから何度も撃ち出して攻撃してくるようだ。

更に最後には卵と幼体の写真があった。卵は真っ赤な種子の形をしていた。

さらにそこから孵化して誕生した幼体はクラゲの姿をしていて

大きく風船のように膨らんだ半円型の傘と白と紫色の模様と

真っ赤に輝く昆虫の複眼。更に下部には細長い鋭利な牙の付いた足が4対生えていた。

しかも幼体はこの4対の牙を利用してアンブレラコア達の体液と血液と

生命エネルギーを吸い尽くしてミイラ化させて成長しているようだ。

最後に日本人とアメリカ人分子生物学者顔写真をモニターに表示した。

あとは2人の名前も表示した。日本人生物学者の名前は馬場ユリカ博士で顔と髪型は。

茶髪のお団子の髪型。左右に長く伸びた前髪。やや太く黒い眉毛。

ぱっちりとした茶色の瞳。ややふっくらとした両頬。

マルフォス隊長によると彼女は身長は167cmモデルみたいに美人らしい。

もう一枚の顔と髪型の写真にはアメリカ人分子生物学者が映っていた。

彼女はケイラー・スラークス博士で胸元まで伸びた茶髪。キリッとした細長い眉毛。

ぱっちりとした茶色の瞳。丸っこい高い鼻とピンク色の唇。

両頬はふっくらとしていて形は整って美しい顔立ちだった。

でも自分が一番可愛くてきれいなお姉さんだとダニア博士は思っていた。

また同成体2種類には5mから8mの巨人個体が存在していて。

攻撃力と凶暴性が高いようだ。また巨人タイプは主に攻撃と

巣の防衛を担当していて繁殖能力は無いようだ。

いわゆる兵アリの役割を果たしていると推測される。

そしてAI(人工知能)アポロはこの生物群には

『ツイスデッド』と『メトロイド』の遺伝子とDNAが

検出されているとダニア博士に報告した。

この生物群はまだ名前は決まっていないようだ。

更にこの生物群には『ツイスデッド』と『メトロイド』のDNAと

遺伝子を持つ新型の人に感染するウィルスが検出されているようだ。

その新型の人に感染するウィルスの詳しい分析の結果を

AI(人工知能)アポロがモニター画面に表示した。

その分析結果によるとニドウィルス目コロナウィルス科

オルトコロナウィルス亜科である事が分かった。

ゲノムはリボ核酸(RNA)を持つ一本鎖プラス鎖RNウィルス。

つまり『コロナウィルス』のようだ。多くは風邪を含む呼吸感染症を引き起こすが

この新型ウィルスは現在は潜伏期間(恐らく2日から10日間と推測される)が

ある為、症状は出ないはずだが。こちらでも詳しくウィルスによって

呼吸感染症を起こすか?異形の怪物化するのか?

いずれにしろ詳しくあの捕らえた反メディア団体ケリヴァーの男女の

メンバーに感染させて命に係わる呼吸感染症か?異形の怪物化か?

感染経路等を念の為に予め色々調べないといけないだろうとダニア博士は考えた。

いずれはこのウィルスによるパンデミックが起こるのも

時間の問題だろうと同時に考えていた。

 

HCFセヴァストポリ研究所のエア・マドセンの自室。

エアはまた母親の存在がいないことに気付き、急に寂しくなり。

体育座りしてベッドの上でシクシクと泣いていた。

それから彼はふと自分の机の上に

今日配達されたばかりの新聞が置いてあるのが見えた。

彼は無造作に手を伸ばして掴んでさっき読んでいた新聞を左右に広げた。

最初の記事は反メディア団体ケリヴァーの迷惑行為についてだった。

しかもそんなのどうでも良かった。

次の記事は生前、母親のアンヘラ博士が協力を頼んで成功させた

あの話題の連続殺人鬼のクレーマータックが起こした事件が書いてあった。

さらに次の記事には個人的にとても気になる記事を見つけた。

その個人的に気になる記事はみだしは多くでかでかとこう書かれていた。

ニューヨーク市内の上空に再びオレンジ色の真っ赤な大蛇!!

上空を優雅に飛び回り!多数の人々が目撃!!」

「2025年6月12日の夜12時頃。ニューヨーク市内上空を真っ赤に輝く

大蛇が優雅に飛行している姿がチェルシー地区の住民を中心に多数目撃された。

その赤い大蛇は4年前の2021年に観月製薬北米支部上空や

チェルシー地区上空でも頻繁に目撃されており、話題となっていた。

その時、エアはこう思った。

じゃ?まさか?魔女王ホラー・ルシファーと魔人フランドールを迎えに来たのかな?

実際、あの紫色の裂け目と青年っぽい声はもしかして?

あの真魔界竜アナンタの事じゃないかな?確かエイダさんの話だと。

そいつは見月製薬の極秘研究所のハイブで封印された筈だね。

でも?また復活して現世に出現している。どうしてだ??

確かあいつは要人案内として魔獣新生多神連合本部に行くとか?

本部に付いたら任務完了したとか?もしかして?あれは乗り物のようなもの?

だったらいいな!魔人フランドールと魔女王ホラー・ルシファー!!

そう思いつつも記事の隣にあった写真を見た。

誰が撮影したのかは不明だが闇夜を優雅に飛ぶ

真魔界竜アナンタが鮮明に映し出されていた。

その姿は2021年に目撃された時の姿と変わらなかった。

巨大な花に似た形の頸部を広げたコブラの頭部の周囲にまるで

花のように千の頭部を持つ、それぞれの花弁状の頸部を広げたコブラの頭部。

千のオレンジ色に輝く目を大口を持ち、それぞれ2対ずつ

鋭く細長い鋭利な牙が生えていた。

またオレンジ色の鱗にびっしりと覆われた太く長い胴体。

尻尾の先端は細長いオレンジ色に輝く槍をしていた。

しかし4年前に出現した時の身体の違いとしてオレンジ色に覆われた

無数の鱗がある胴体から4対の緑の鱗に覆われた太く長い両腕を生やしていた。

また4対の両手から40対の真っ赤に輝く盾の

ような形をした太く長い爪を生やしていた。

ここも違うな?まさか進化したのか?

そう思いつつも続きを読んだ。記事には目撃者の証言があった。

「俺は丁度、会社の帰りでぼーっと空を見上げていたら!

でっけえ蛇が飛んでいたんだよ!(会社員の男性)。

「すっげえもんさ!まるで空を海みたいにスイスイと!(学生の男性)。

「見たよ!見月製薬のお空を飛んでいたの!(10歳の女の子)。

「私は最悪です!蛇は嫌いなんですぅ!(10歳の女の子の母親)。

「何で?蛇さん!お空を飛んでいたんだろう?」(10歳の男の子)。

他にも目撃したニューヨーク市内の住民は多数いたようだった。

また次の記事にはまた大きな見出しでこう書かれていた。

ニューヨーク市チェルシー地区の

老浦高級デパート・ピーターフェルドマンにて謎の異生物現る!!』。

更に記事によると『謎の異生物は数体出現している』らしい。

マッドから聞いた!あのファントムの遺産』から産まれた異形の怪物の事かな?

 

(第51章に続く)