(第60章)帰って来た狂気の造形家・偶像のガーゴイル(前編)

(第60章)帰って来た狂気の造形家・偶像のガーゴイル(前編)

 

ニューヨークタイムズ紙を読み終えたエアと魔人フランドールは真っ直ぐ廊下を進み、

エイダと共に曲がり角から飛び出してきたセクシャルスラーパー4体を

マシンガンでハチの巣にした。そして安全を確認しつつも先へ進んだ。

そこは鐘桜南廊下のようだ。しかも廊下は相変わらず

赤い血と錆に覆われた壁に覆われていた。

4人が歩く度に床の金網がガチャガチャと音を立てていた。

「きゃっ!」と鳴葉が悲鳴を上げた。ビクッ!となってエイダとエアは立ち止まった。

鳴葉は震える指で白いタイルの床を指さした。

すると白いタイルの上に赤黒い小さな足跡がポツッ!ポツッ!ポツッ!

とまるで歩くように消えては現れてを繰り返していた。

エアも「あっ!」と声を上げてその場に立ち止まった。

エアは「あわわっ!」と少々情けない声を上げた。

「一体?何処に続くのかしら?少女のようだけど?」とエイダ。

「あっちよ!あっちに続いてる!」と魔人フランドールは小さな足跡の先を指さした。

やがて何者かの血の足跡はどんどん先へ進み、そして血の足跡は茶色の髪に黄色と赤の

ベールと白いスカートを纏った白い鳥の翼の生えた空飛ぶ天使の絵の前で

立ち止まるとあっと言う間に消えた。

4人は空飛び天使の絵の前で同じく立ち止まった。

エイダは空飛ぶ天使の絵の額縁や周囲の赤い血や錆に覆われた壁を調べ始めた。

「ハアーハアー」と繰り返し誰かが呼吸する声が聞こえた。

エイダは絵が動く事に気付いた。エアとエイダは協力して押した。

同時に鳴葉と魔人フランドールは絵の端を引っ張った。

すると絵が動き茶色の扉が現れた。そして開けようとしたがカチャッ!

と音がして開かなかった。どうやら鍵がしっかりと掛かっているようだった。

しょうがないので4人は絵を動かした扉の先の廊下の角を曲がり、

その先の茶色の扉を開けた。そして中は鐘桜の部屋のようだ。

 

『静かなる丘』の教会の外の遊園地の占いの館の

とある場所の四角い土に覆われた小さな広場。

そこにあの道化師(ピエロ)の姿をした男は赤と白の大きなシャベルを

取り出してラン♪♪ランラン♪♪と歌い続けながら何かを掘り出していた。

やがてシャベルがカッ!と金属を叩く音がした。

道化師(ピエロ)はアーツハッハ!笑いながら両手で土をかき出して掘り出した。

そして土の中から大きな円盤の秘石が出て来た。そこにバサッ!バサッ!と

大きな羽ばたく音と共に鳥の悪魔が地面に着地した。

道化師(ピエロ)は改めて目の前に現れた鳥の悪魔を見た。

鳥の悪魔は巨大な緑色の蝙蝠の翼を生やしていた。

巨大な黄色の嘴には鋭い鋸のような歯が生えていた。

胸部には真っ赤に輝く核(コア)が付いていた。

両肩にも鋭い鋸状の歯が無数に並んだ黄色の嘴が生えていた。

両脚にも幾つかの突起物が生えていた。両足には短く黒い3本の爪が生えていた。

両腕にも幾つかの突起物が生えて巨大な

鳥の脚をした両手に黒く長い鉤爪を持っていた。

「魔獣ホラー・アスモディ」と鳥の悪魔に呼ばれた道化師(ピエロ)は両手の

赤と緑の人形を取り出すと腹話術で話し始めた。しかも円盤状の秘石を読んでいた。

「『父親』『虐待』『母親』『操り人形』『種族』人間の深き闇に閉ざされし者。

神の玉座から追放された者がー。正しき儀式によって目覚めるであろう。

そして完全に復活した神。太陽神に続いて。

第2の者が続くー。うーんさっぱりだね。」

「第2の者。『地球』だよ。そして『地球』はロブセルビスとスチェルバラを除く

太陽神の下にいる大勢の神々と天使がその『地球』の意志そのものさ。

正にあれだよ!環境破壊や今回の自分の欲と自己中心的な理由で太陽神を

復活させようとした。愚かな人間達にとうとう地球が怒ろうとしているとしたら?』

「バカだね!人間って!アーハハッ!ハッハッハ!!」

「他にも様々な学問の知識や博学と芸術の知識を得た。」

「あーあー知っている人間の若い女性の色々な学問や芸術家や考古学や様々な

文章の解読の為にあらゆる膨大な古代と現代の言語の知識を性的快楽を与えて

対象の若い女性を魅了して全て吸収して行ったんでしょ?」

「そうさ。若い女性と性行為をする事によって人間のあらゆる知識を吸収して。

あらゆる知識を手に入れた。俺に人工的に太陽の聖環を刻む事で男でありながら

『進化体』となったのさ!これがその証だ!!」

魔獣ホラー・ガーゴイルは自分の左手の甲に刻まれている

太陽の聖環を魔獣ホラー・アスモディに見せた。

「そう、太陽の聖環。進化体。でも君は派手に動き過ぎだよ。

ニューヨーク市警やFBI、ブルーアンブレラ社、BSAA!

とっくにメディアは大騒ぎ。一般女性を含めて10000万人が

被害に遭っているってさっき魔王ホラー・ベルゼビュート様から報告を受けたよ。

魔獣ホラー・ガーゴイル!反メディア団体ケリヴァーのリーダーの

若村秀和をちゃーんと暗殺しないと!」と赤い人形。

「魔王ホラー・ベルゼビュートが怒り出しちゃうよ?」と緑の人形。

すると魔獣ホラー・ガーゴイルはこう答えた。

「大丈夫さ!あいつは必ずここに来る!待ち伏せしてやるのさ!」

それから魔獣ホラー・ガーゴイルは魔獣体から人間体に戻った。

魔獣ホラー・ガーゴイルの返答に魔獣ホラー・アスモディはこう答えた。

「もう僕達は反メディア団体ケリヴァーの幹部は暗殺しておいたし!」と赤い人形。

「あと最後の仕事も残っているからね。そろそろ行くよ!」と緑色の人形。

魔獣ホラー・アスモディは片手の人形をしまった。

そして円盤の秘跡を白い服をしまうとその場から立ち去った。

一人残された魔獣ホラー・ガーゴイルは今までニューヨーク市内で多数の若い女性達を

自らの偶像の能力で身動き出来なくした後に自分が連れ回していたメディアが

UMA(未確認生物)と呼ぶ、真っ赤な触手と黄色い触手の持つ謎の生命体を襲わせた

時に一番自分が印象に残った1人のチリ人の若い女性のニューヨーク市警の刑事の

容姿を思い出していた。そのチリ人の若い女性のニューヨーク市警の刑事はー。

サラサラの黒髪のお団子にオールバックをしていた。

大きなおでこにキリッとした細長い眉毛。

ぱっちりとした茶色の瞳。

丸っこいはっきりとしたした鼻筋の通った高い鼻。

角ばった感じの整った美しい顔立ち。口紅を塗った絶世の美女だった。

しかし彼自身が襲っているのではなく全ての性行為はUMA(未確認生物)に

任せていた。そして若い女性の色々な学問や芸術や考古学や

様々な文章の解読の為にあらゆる膨大な知識をUMA(未確認生物)に

全て吸収させ、必要な時に知識を取り出していた。

魔獣ホラー・ガーゴイルはそのチリ人の若い女性刑事を仰向けに寝かせた。

そして近くのテーブルに魔獣ホラー・ガーゴイルはチリ人の若い女性刑事の形に

彫刻用の粘土を作ろうと両手で彼女の顔や容姿を作り始めた。

彼が粘土に触れる度に全身を触られた感覚に襲われ、「あっ!」と声を上げた。

彼は両手で丁寧に優しくチリ人の若い女性刑事を

模した彫刻の両膝を曲げ立てて左右に開かせた。

すると生身のチリ人の若い女性刑事の

両膝が自分の意志とは無関係に勝手に動き出した。

チリ人の若い女性の両膝は曲がり、立ち、左右に開いて行った。

彼はチリ人の若い人女性刑事を模した

彫刻の上半身を起こして両掌を台座に付けさせた。

すると生身のチリ人の若い女性刑事は自然にまた自分の意志とは

無関係に勝手に上半身が起き上がり、両掌を床に付けた。

それから魔獣ホラー・ガーゴイルは右腕を上下に振った。

するとあのUMA(未確認生物)が現れた。

チリ人の若い女性刑事はそのUMA(未確認生物)を茶色の瞳を丸くして見た。

UMA(未確認生物)は外見が深海の生物のテズルモズルの姿をした偶像だった。

中央にひし形の模様を持ち五形の身体を持っていた。そして5本の腕を伸ばしていた。

5本の腕は多数に枝分かれした黄色の触手と真っ赤な触手を広げていた。

チリ人の若い女性刑事はその異様な姿に恐怖しつつも震える声でこう言った。

「いっ!こいつ!なんなの?この生物は何ッ??」

魔獣ホラー・ガーゴイルは自慢げにそのUMA(未確認生物)について話し始めた。

「これは私が聖なる石の力を手に入れ!

新たな神の手を手に入れたんだ!それはその副産物さ!

こいつはテズルモズルをモデルに私の細胞の一部を粘土化させて

その神の粘土を利用して造形し、私の賢者の石の一部を与えた。

私は神の粘土で造形したテズルモズルに命を吹き込んだのさ!

いわゆるゴーレムのようにと言ったら分かるかな?

テズルモズルの泥人形。私の命令に忠実に従うロボットさ。

こいつには私の頭脳の役割を与えた。だからこいつは若い女性と性行為をする

事によって対象の若い女性が持つ学問や知識や考古学。

様々な文章の解読の為にあらゆる膨大な知識(古代と現代)の知識を

性的快楽を引き換えに吸収する事で知識を得る能力を与えたのさ!!

必要とあればこのテズルモズルのゴーレムから必要な知識を得られる。

テズルモズルのゴーレムに保存されている情報を引き出してね。」

 

(第61章に続く)