(第62章)踏んだり蹴ったりのギルマンさん(後編)

(第62章)踏んだり蹴ったりのギルマンさん(後編)

 

同胞の深き者ども(ディープワン)達の通信の報告によると。

この『私立ラグクラフト中学高等学校』建物全体の空間と

全校生徒と職員や教師の若い女性と男性から少年や少女から

抜け出た全ての人間の精神エネルギーの『マガツヒ(禍つ霊)』が集束して

地下3階の『死神ツイスデッドリーパー』の実験体から吸収しているらしい。

そしてマガツヒ(禍つ霊)』を吸収された

学校関係者は全員運良く死なずに済んでいるが。

次々と意識を失い倒れているとのことだ。

 

それから約30分後には。

全ての大量のマガツヒ(禍つ霊)を吸収した

死神ツイスデッドリーパーはようやく一時的に休眠状態となり、活動を停止させた。

勿論、すぐに学校関係者や生徒達は秘密裏で治療して

記憶処理を施した後に元の学校生活に戻した。

ギルマンは自分の中に『性の営みの静寂(シジマ)の

理(ことわり)』に目覚めたのを感じた。

それは後に守護神に成る存在だ。

と彼は頭の中ではっきりと理解していた。

そう新たな世界の創造神だと。

 

チェルシー私立ラグクラフト中学高等学校』の真下の『ダゴン密教団』の

所有するとある地下研究所の水槽の中にいた死神ツイスデッドリーパーの

異変が始まっている間、ニュヨーク市内の別の場所。

チャイナータウンの公園の近くの十字路の歩道で神崎りょうすけは何かを感じた。

彼は直ぐに異変を感じた方向を見た。

すると遠くの太陽と青空をバックに突如、真っ赤に輝く

長四角の巨大な柱が天高く真っ直ぐと放たれていた。

しかも真っ赤に輝く長四角の巨大な柱の内部には

大気中のこちら側(バイオ)の世界の空間から真っ赤に輝く

精神エネルギーのマガツヒ(禍つ霊)が一か所に集まって行くのが良く見えた。

神崎は大きくチッ!と舌打ちした。

「チッ!こちら側(バイオ)の世界。二アボルテクス界にて

新たな理(ことわり)と世界創世の力とそして守護神の力が目覚めたか。

うーむ困ったな。生贄にあの子を可愛い可愛い風紗ちゃんを利用して自身が

守護神と理(ことわり)を開く存在として

覚醒させるのに必要な事はしていないのにな」

神崎は両腕を組み、しばらく考え込んでいた。

「うーん!これはセフィロトの樹と僕の理想の

『ムスビ』の創世の準備を急がないとならないかもね。」

彼は目にも止まらぬ速さで歩道からふっと消えてどこかへ走り去った。

またこの大気中の異変は勿論の事。

チェルシー私立ラグクラフト中学高等学校』の周囲の歩道では道を

行き交う不特定多数の人々はそれぞれその光景をどんどんバックや

鞄やポケットからスマートフォンを取り出した。

そしてスマートフォンのカメラ機能で写真を撮ったり。

動画機能で動画を回して実況中継する若者達も現れた。

さらにおじいちゃんやおばあちゃんとOLやサラリーマン等の

多数の仕事の休みのランチや休憩を取る為にファーストフード店や

レストランで食事をとろうとしていた一般人達は

お互い指をさしてその異常な光景に驚き。

戸惑い。混乱し。困惑した様子で見ていた。

「なにあれ?」

「ヤバい!」

「写真を動画をSNS にアップだあっ!」

不特定多数の一般人はそれぞれ撮った写真や動画を次々と

SNSツィッターや他のユーチューブ動画やニコニコ動画にもアップした。

そしてアップされた写真や動画はあっと言う間に他のアカウントから大量に

他のアカウントへとどんどん拡散して行き、大きく広がり。話題となって行った。

『そこはチェルシー私立ラグクラフト中学高等学校』と言うタイトルの

投稿や文章の投稿も瞬く間に拡散して行ったのだった。

勿論、これは直ぐにテレビやネットでも大きなニュースとなり。

アメリカ合衆国や世界中にこの事件は大きく報道されて行った。

しかしアメリカ合衆国政府はこの奇妙な出来事について正式に発表されなければ。

『調査中』と緊急の記者会見にて発表されるが。

どれも出来事については何も分かっていないと言う話が

アメリカ大統領や大勢の政府関係者達はメディアを通して続々と発表していた。

しかしそれは裏で『ダゴン密教団』と関係ある

政府関係者によってなんとか揉み消されていた。

しかし一部のジョン・C・シモンズの秘密組織ファミリーの

情報収集能力に優れた情報屋やスパイ達の活躍により、一部の情報が漏れ出して。

詳しくは分からないものの大体、この組織に知られてしまっていた。

 

氷川指令とカラスの仮面をかぶった謎の日本人女性は

聖ミカエル病院でギルマン・マーシュと知り合ってから6日後のとある

ホテルの誰もいない一室でお互い電話で話し合っていた。

その片隅でカラスの仮面をかぶった謎の日本人女性は

ニューヨークタイムズの紙の新聞の記事の内容を眺めていた。

すると彼女は電話で氷川指令と話しながらこんな話を続けていた。

「そもそも住民監査で再調査されてもあいつらは『不正』は

無かったと往生際が悪いこと極まりない。

タコ部屋と生活保護のデマを訴える。不正会計はやらないとか。

自己保身だけで議員会館で大手メディア記者を数十名とNHKを呼んでセブンナイツは

あの伝説のリーガルハラスメント記者会見をするものの反撃されて失敗。

ツイートでいいねをした人間をツイートした奴を訴えると言ってなんだか下らない。」

すると氷川指令は静かな口調でこう答えた。

「そういえばいつまでもデマと主張した末に結局は東京都も動かざる負えなくなって。

『東京都にバスカフェを運用する際には支援対象者の安全を確保し。

歩行者の妨げにならない様に万全の対策を講じ、

その内容を3月20日まで報告せよ。』

と書面が仁藤夢乃氏に届いたが。結局は突っぱねるつもりらしい。」

「ああ。あの署名活動ですね。あの支える会だかどうだかの。

『東京都と新宿区は10代女性を

支援するバスカフェを妨害から守ってください』と言う。

あと共産党の議員が『コラボ攻撃の本質は女性支援法の成立など

ジェンダー平等の全身を嫌い、女性差別や性的搾取の温蔵を狙う逆流??

バック何とかだかで連帯して声を上げ、逆流を跳ね返しましょう』と言うけど。

正直、違うと思う。しかも彼は財務所の森友問題の黒塗りだらけとは

『公表できないやましいことだらけ』と言っていた。」

では?聞くがNPO団体のコラボの関係の会計資料も黒塗りだったが。

結局は連中にも公表できないやましい事だらけなのだろう。

だから人間は信用出来ん。

自らの破滅しかけてもその自覚すらないのだ。

人間によって態度をコロコロ変える。つくづく人間は現金な生き物だ。」

カラスの仮面をかぶった謎の日本人女性の話に氷川指令もホトホト呆れ果てていた。

「ついでに国や各自治体でそれぞれ模式や手続きを定めているそうだが。

普通の請願や陳情の著名簿は『手書きである事』と『自筆』である事が

条件とされることが多く。つまりオンラインで集めた署名簿は役に立たないだろう。」

「うわー。それ意味ないじゃいですか・・・・・。」

「所詮はその程度の頭だったと言う訳だ。まともに会計処理のできない

連中に任せてもバスと言うよりもはやピンク色の泥船だろう。」

「銅もあの人達は自分の『正義』や自分達の若年被害者を救う為に

妨害する男達を敵だと信じ込んでいるのよ。

つまり男性こそ女性の性的暴力を振るう犯罪者だと思い込みが激しすぎるのよ。」

「今目の前で起こっている不正会計の不祥事の現実と向き合えないんだな。」

「そういう人達が真実を誤魔化そうとする訳ですね。」

「その通り若年被害女性を救う彼女らの行動は崇高な物じゃない。」

「不正会計や若年被害女性を利用する方法を発見したのは喜びであり。

公金のルールや法律の穴をくぐる方法の理解は若い女性達の支配に繋がるのだろう。

そして求めているのはもちろん男性よりも社会的に確実に

優位に立てていると言う自分達の気持ちよさだけだ。

さてと!君の報告を聞かせて貰おうか。」

それからカラスの仮面をかぶった謎の日本人女性は今まで調べた事を全て報告した。

「成程、死神ツイスデッドリーパーは大量のマガツヒ(禍つ霊)を

取り込んで活動を一時的に停止させてから6日後に活動を再開したか。

それは即ち。ある意味で機械天使サムエルや仁藤夢乃氏よりも

一足早くに『神化』の準備が出来ていた訳か。

そして『守護神』としての目覚めも近いだろう。

まあとりあえずは機械天使サムエルがこちら側(バイオ)の

ニアボルテクスの世界から消えた後の話だが。

幸いにも君の中にはあの偽神アラディアは存在しない。

これは私にとって邪魔な存在がいないと言うのは大変喜ばしい。

くれぐれも私をがっかりさせない様。期待しているよ。」

カラスの仮面をかぶった謎の日本人女性は見た目がどこか

『おこさまぷれーと』の青色担当の『しゅが』に風貌が似ていた。

あるいは全体的な雰囲気が似ていると言ってよい。

「はい・・・でもまだみんなと歌を歌い続けたいです。」

カラスの仮面をかぶった謎の日本人女性の静かな言葉を聞いていた氷川指令は。

「そうか。まあーいい。役目が始まるまでは歌い続けたらいい。

すでにあの『チェルシー私立ラグクラフト中学高等学校』の例の研究所で

働いているギルマン・マーシュは自らの理(ことわり)に目覚め。

『死神ツイスデッドリーパー』も創世の神として。

守護神として覚醒した。

あの男に全て大役が務まるかどうか分からんが。

既に『死神ツイスデッドリーパー』の覚醒により

我が創世の為のマガツヒ(禍つ霊)は大量に集まりほぼ満ち足りた。

あの学校全体の人々のマガツヒ(禍つ霊)が集まったお陰だ。

ミロク教典との当初のシナリオとはかなり異なるものの

あの反メディア団体ケリヴァーの代表の若村秀和の

『静かなる丘・サイレントヒル』の儀式によって

今や『ニューヨーク受胎』の状態にある。

OOOは最終的には『アマラ神殿』と『オベリスク』を喚び出す巫女となってもらう。」

しばらくカラスの仮面をかぶった謎の日本人女性は

彼の大きな溜め息を聞いた後にこう報告した。

「5日前から活動を再会した『死神ツイスデッドリーパー』は

それ以降大きな体調の変化は見られず。

5日前と全く同じ生殖行動と通常の生物の行動を繰り返しているようです。

つまりまだ『神』としての『守護』としての強大な力は見られない模様。」と。

すると氷川は「そうか」と短く返した。

「では!次の報告をよろしく!」と付け加えて電話を切った。

カラスの仮面をかぶった謎の日本人女性は

スマートフォンを自らのポケットにしまった。

 

氷川指令とカラスの仮面をかぶった謎の日本人女性が

ホテルの誰もいない一室でお互い電話で話し合っている同時刻。

とある極秘研究所の古代生物研究所と多次元宇宙を観測する天体観測場のある

施設を拠点にしている巨大組織『ネオ・プロメテウス』の幹部の事務所と部屋。

幹部のドアには『魔神アレックス・パパリオス』と表札が張ってあった。

彼の部屋はエジプトのピラミッドを思わせるような金色の壁と天井と

床は美しい巨大な長四角の石で出来ていた。

机には様々な資料が机に置かれていた。

隣の部屋の寝室には長四角の金属の骨組みと

白いマットが置かれたふかふかのベッドがあった。

しかし彼隣の部屋の寝室には行かずに事務所のふかふかの椅子に座った。

そのあとに金色に輝く鷲男から元のアメリカ人男性に戻った。

続けて彼は机に置かれているパソコンの画面をじっと見ていた。

パソコン画面には古代の寄生生物のデータが表示されていた。

それはスペインのとある村から組織がサンプルとして

回収されたプラーガと呼ばれる寄生体の原種の情報だった。

彼の名前はアレックス・パパリオス。

過去に元々存在していた別次元の世界の住人で。

その世界の主人公のラストマンや自身や子供達諸共。

別組織の刺客のカマキリ女とその子供達に捕食されて

存在しなくなってしまった事を死後のプラーナ(魂)になっても悔しがり。

新しい組織によって地母神の産み直し能力をデジタルで再現した人工子宮から

緑川博士の手によって胎児から元通りの成人の肉体を与えられて復活しても。

その記憶は忌まわしく残り、彼の精神を苦しめ続けた。

しかしかつてとあるスペインの村で発見された寄生体プラーガの存在を知り。

更にジャック・クラウザーと言う名前の人間の男が力を手に入れたと

言う噂を耳にしたのがきっかけで彼も自ら実験台となり。

自らの身体に注射器を用いて原種プラーガの中でも

母体と呼ばれる支配種のプラーガを注入し。

既に卵は孵化して成長して寄生して彼の肉体と同化していた。

彼もまたオズムンド・サドラーと言うロス・イルミナドス教団の元教祖様と

同じように理性や自我を持つ母体であり、支配種の能力を手に入れたのだった。

こうして彼は以前よりも更に強大な力を持つようになった。

「フフフッ!これであのラストマンやカマキリ女も難無く返り討ちにできるだろう。

勿論、もう存在しないがね。フフフッ!

母体の力を手に入れて。

既に私は人間と異なる魔神である為。

母体も支配種プラーガの精神汚染も受けていない。

精神汚染にも強い耐性があるからな。

あと補助魔法や回復魔法や攻撃魔法があれば私は無敵だ。

まあ従属種プラーガは今のところは使い道がないな。

下手に表立って使用すると私のユートピア(理想郷)建造計画がフェミニスト

ポリコレやブルーアンブレラ社やBSAAやアメリカ政府に全てバレた挙句に

計画は破綻しかねない。保留としよう。

それがいいな。今のところはな。」

従属種は自我や理性や感情を失って狂暴化する。

これではだめだろう。

いくらなんでも目立ち過ぎだし。

レオン・S・ケネディクリス・レッドフィールドもプラーガには詳しい。

これ以上探られたら面倒になるだろう。

例の黒い水やE型特異菌や菌根やウロボロスウィルス。

あれらはユートピア(理想郷)の実現に必要不可欠となる。

だからこそ表の連中には存在を何とか隠し通さねば。

アレックス・パパリオスはそう考え、結論に達した。

 

(第63章に続く)