(第67章)野性化した海洋型BOW(生物兵器)のDOOP(ドォープ)

(第67章)野性化した海洋型BOW(生物兵器)のDOOP(ドォープ)

 

緑川博士と研究チームはニア・ボルテクス界のアマラ深界に当たる深い場所。

そこはやはりアマラ深界に当たる最深部の『静かなる丘・サイレントヒル

の儀式とは別に元々、こちら側(バイオ)の世界に存在していたあの

ネプチューン社の負の遺産であるDOOP(ドォープ)が

現実(リアル)の世界のこちら側(バイオ)の世界が変化した

ニア・ボルテクス界のアマラ深界の巨大な空洞内にその

DOOP(ドォープ)の不定形の金属の奇妙な生物は金属性の青色と銀色の液体が

固まって形成された巨大な円形の空洞内の形に沿って巨大な球体状のコア(核)とも

惑星とも似た金属製の超巨大な巣を形成している事が分析結果で判明した。

さらにDOOP(ドォープ)の超巨大な巣の最深部には魔獣新生多神連合の報告通り。

未知の放射性物質『フェイゾン』コア(核)が存在することが分かっている。

そして未知の放射性物質の『フェイゾン』コア(核)については宇宙人で

元宇宙海賊スペースパイレーツの科学者の協力によってニア・ボルテクス界の

更にアマラ深界に当たる深い場所の

DOOP(ドォープ)の巨大な巣の最奥部には別世界から

『静かなる丘・サイレントヒル』の儀式によって時空を歪められた影響により

出現したと思われる円形の巨大なクレーター状の空間内に青く妖しく輝く

巨大な球体状のコア(核)とも惑星にも似た全く別の超巨大な何かはかつて

スペースパイレーツの組織がターロンⅣで最初に採掘された『フェイゾン』と

呼ばれる強力な放射性物質を放ち、インディックスⅤに該当する

突然変異誘発遺伝子を持っているそうだ。

しかもこのエネルギーは自然の生命体をフェイゾンの毒性に耐えうる

強度へと急速に進化させる作用があるようだ。

これらの微量の影響を受けた生物は比較的緩やかに『静かなる丘・サイレントヒル

の太陽の聖環の刻まれた進化体となった人間とは別に特に昆虫類に

強い影響を与えているようだった。

この即時の進化能力は当時のスペースパイレーツ達は

1世代以内の繁殖の道を切り開く将来性があったらしい。

しかしフェイゾンは多量に浴びると精神障害を発症するようだ。

またフェイゾンの注入過程で脳組織が退化してしまうようだ。

だが代わりに筋肉質量の増加には成功したようだ。

今の所、彼が分かっているのはこの位だと言う。

だがこのスペースパイレーツの研究員の『ザリガン』は何か知っているようだ。

更に彼に尋ねたところ。既にそのアマラ深界に当たる最深部のフェイゾンコア(核)

から巨大な汚染を拡大させる『シード』と呼ばれる

小さな複数の隕石が飛び出して打ち上げられた結果。

あらゆる多次元の並行世界(パラレルワールド)に向かい落下したようだ。

そして星の数だけ降り注いだ新たな生命体として命を失った生物。

他に突然変異で進化して強力な繁殖能力の高い種族へと変化して行き。

現存の並行世界(パラレルワールド)の人間や他生物にも

良くも悪くも強い異常な成長を与えている。

特に昆虫はその影響が強く残り『アサクサメガギラス』『ユダの血統』が

代表して進化のデータサンプルとして初めて緑川博士と研究チームに示した。

既に周囲の多次元の並行世界(パラレルワールド)の生態崩壊は

幾つかは急速に進みつつあるようでいずれはフェイゾンの惑星になると推測された。

また『メトロイドプライム』と言う巨大生物のDNAと遺伝子が

組み込まれている生物が確認できた事からその生物達が巨大化してまた

時空の歪みを取り抜けて別の並行世界(パラレルワールド)に『シード』として

汚染が拡大する危険性があり、早急に対策が必要だと『ザリガン』は警告した。

しかし緑川博士も研究員も誰も彼の警告を無視していた。

緑川博士も研究チームの彼女や彼らはそんな彼の警告よりもあのフェイゾンが

他の生物にどこまで影響を及ぼすのかどうかを気にしているらしく。

彼の必死の主張も警告もついに最後まで聞き入られる事は無かった。

それから話はかなり脱線したがその肝心のDOOP(ドォープ)の

巨大な金属性の青色と銀色に輝く巣の内部で既に1997年

の原子潜水艦研究所内の暴走と耐圧トランクを持ち帰った際にトランク内の

赤い石の形のDOOP(ドォープ)コアユニットに何も知らずに

触れてしまった達也と言う日本人人男性の

会社の海底調査船の隊員を手に潜り込ませる事によってDOOP(ドォープ)システムを起動させて精神的に追い詰めて取り込んだ後に彼の婚約者の『亜紀』。

他の女性隊員の『沙耶』『スーザン』『海音』と言う女性隊員。

キャプテンの『ミランダ』とを性行為後に全ての肉体と

精神を融合させて取り込み成長し続けた。

現在は事件後に生存者の『ルーシ』と言う当時の女性生物学者

ネプチューン社を倒産させて仲間の仇を討っている間。

あの深海調査船から逃げ出したDOOP(ドォープ)の成体は野性化し、生存。

1997年から2030年の長い年月をかけて

ゆっくりと緩慢に進化したと推測された。

しかもわざわざ若い女性を取り込まなくても他のあらゆる生物や無機物の

ショゴスのDNAと遺伝子や遺伝子情報をコピーして擬態と思わしき行動を取る事が

魔獣新生多神連合の情報から明らかになっているようだ。

また交尾する事で有性生殖を使い、

宿主の女性の子宮を利用して繁殖していたようである。

そしてDOOP(ドォープ)個体はこのニア・ボルテクス界のアマラ深界

当たる場所を巨大な巣を拠点にして地上に出て来ているようである。

恐らくもう既にシステムに頼らない独立した生命体に進化した

可能性が高いだろうと緑川博士はそう結論付けた。

「こいつは元に戻ったあとの世界でも大変な事になりそうね」

彼女は少し青い表情でその報告書を読んでいた。

そして現在も巣の内部ではDOOP(ドォープ)は赤い宝石のコア(核)ユニット

の主人格の達也と言う男を中心に他の取り込んだ女性隊員達『スーザン』

『海音』『沙耶』『亜紀』『ミランダ』の女性隊員達の人格の巨大な本体は

未だに活動し続けているようで音声調査の結果。

やはり複数の女性隊員と思わしき女性や少女達の囁き声がスピーカーから流れた。

これには緑川博士も研究チームも彼女達の音声を聞き。

思わず背筋を凍らせて激しく身震いさせて両手で胴体を抱きしめた。

それから緑川博士は慌ててスイッチを切り、後ろを向いてしまった。

彼女は瞼を閉じて恐怖で身体をプルプルと震わせた。

さらに緑川博士は震えつつも更にその既にBSAAから公式に発表されている

DOOP(ドォープ)に関係する被害者リストを読んだ。

『DOOP(ドォープ)に関係する被害者リスト。

『達也』(DOOP(ドォープ)のコアユニットに

触れてしまい主人格として取り込まれる。)

『亜紀』(最初のDOOP(ドォープ)の性被害者。

DOOP(ドォープ)との性行為後に人体と金属が融合から消滅。移植統合される。)

『沙耶』(DOOP(ドォープ)との性行為後に人体と融合消滅。移植統合される。)

『スーザン』(DOOP(ドォープ)との性行為後に人体と融合消滅。

移植統合される。)

ミランダ』(今回の黒幕で細胞不活性弾DOOP(ドォープ)には

通用せずに性行為後に人体と融合消滅。移植統合された。)

『海音』(DOOP(ドォープ)と性行為をして人体が融合消滅して

移植統合される直前に彼女が人間の時に残した亜紀の『ウィッチ』の

最強ハッキングデータを『ルーシ』に渡して海上へ逃がす事に成功する。)

『ルーシ』(生存・ネプチューン社を倒産させる)

これがまだ一部でまた他の潜水艦の事故を加えれば

さらに大勢の行方不明者や死者がいるらしい。

『ジェフ』『カール』『アルバート』と言う男性作業員は全員惨殺されているらしい。

もうそれ以上緑川博士は知りたくなかったのでシャットダウンした。

またその1997年に悪夢から生き延びた彼女。

つまりルーシは亜紀の遺した『ウィッチ』の

最強のハッキングデータでネプチューン社の

BOW(生物兵器)開発の実態を表側に流出させて倒産させた後に。

元の生物学者としての仕事に戻り。

DOOP(ドォープ)に関する金属を喰らう新種のバクテリアについての論文を

発表して最終的にノーベル賞を受賞したそうだ。

またネプチューン社のようにその金属を喰らう新種のバクテリア

悪意のある人間に利用されない様に。

太平洋公海の金属を喰らう新種のバクテリアの保護活動に人生の大半を捧げた。

しかしまだDOOP(ドォープ)が生き残り、進化していることを知り。

命懸けで更なる生態調査を行い。また主人格となった『達也』と取り込まれた

同僚の仲間の女性達『亜紀』『スーザン』『沙耶』『ミランダ』『海音』達が

人体融合したまま海底で放置されているのを知り。

彼ら彼女らの分離と救助の為にあらゆる分離方法を試したものの実現せず。

DOOP(ドォープ)に精神支配されて人間を喪失する前の達也3回セックスの末に

彼との間にDOOP(ドォープ)バクテリアと共存に成功して人間の赤ちゃんとして

生まれて大人になるまで成長して自立した子供達とその孫達の家族に

見守られてアメリカの私立病院で命が尽きて自然と亡くなってしまったようだ。

この恐ろしいDOOPの事件はアンブレラ社が事件を起こした最大最悪のバイオハザード(生物災害)のラクーンシティ壊滅事件に隠れてあまり目立たずひっそりと

新聞やネットに都市伝説として語られていた。

それから彼女の死後の2030年になって急にSNSのネット上で話題となった。

その話題となった大きな理由は今年の夏に『Rー18』指定で公開予定の映画として

『DOOP(ドォープ)事件』が映画化されるからである。

これらの映画はラクーンシティ壊滅事件の映画化と並んで誰も知られていなかった

1997年に実際に起こってしまった実話を基にした映画である。

またこれは以前の『テレジア伝記』や『アイリーン冒険記』を基にした最近話題の

冒険映画と同様にこの予告編動画がYouTubeニコニコ動画に公開されるなり

大勢の人々がポリコレ映画よりもこれらの映画が大きな話題となった。

また多少は映画なので脚色されているが殆どは実話である。

それ故に『ラクーンシティ壊滅事件』と同じように当時の事件に関わった人物が

詳しく取材と証言を回収してルーシの生前の音声記録や当時の映像や

ノーベル賞受賞の様子などを現在の若手の

新人監督やスタッフ達が議論を熱く交わした。

要は表現方法をを巡ってである。時には対立したりしたが。

それでも様々な表現方法を試したり。

膨大な絵コンテの制作。

プロットのイメージの制作等を手掛け、クリーチャーの造形を長い間。

1年前の2029年に始まったこの映画化プロジェクトは

ポリコレ配慮を要求する映画評論家や活動家の意見を曲げて

押しのけてようやくポリコレに一切配慮されない本来の

あるべきハリウッド映画として形となり。全ては順調だった。

主人公のルーシ役は『アイリーン冒険記』と『テレジア伝記』の冒険映画に出演した

アイリーン・T・チェックリー役を演じた金髪の白い肌のセクシー女優に決まり。

他にも『達也』と『亜紀』『沙耶』『海音』の役に

有名な実力は日本人女性が起用された。

ミランダ』役は様々な映画でとても印象のある悪役を

多数演じてきたベテラン女優に決まった。『Rー18』指定故に

過激なシーンが多くある為に18歳以下の子供が観る事を厳しく禁止した。

そこは当然のことながらきちんと管理をしていた。

勿論、早速フェミニスト活動家達は大騒ぎした。

しかし幾ら彼女ら彼らが騒いだところで炎上して自爆するだけで何の意味もなかった。

何とかして映画を中止させようとクラウドファンディングでお金を集めようとしたり。

映画中止の署名を求めようとするが。

集まったクラウドファンディングは文字通り雀の涙であり。

映画中止の署名もたった100人しか集まらず目的は果たされなかった。

またアカデミー賞の映画を絶賛する映画評論家達も『人種差別』だと批判した。

しかしまだ公開されていないのに批判するのはおかしいと突っ込みが入った。

多くの人々はついにポリコレ配慮映画に見向きもしなくなり下らない政治思想

のポリコレ映画やクラウドファンディングの為に金を出すよりも。

本物の娯楽映画の為にお金を出す方を望んだ。

これにより初公開からポリコレ映画の幾つかの作品をあっと

言う間に超えて観客は映画館前で長蛇の列となっていた。

そしてポリコレ作品がアカデミー賞を受賞を取ったのにも関わらず

大ゴケしてしまい。復興収入は最低で留まり、映画会社は急速な赤字に悩まされた。

対してアカデミー賞を取らなかった今作やその他のアニメ映画や日本映画や

B級のアメリカ映画やティーン向け映画や冒険映画等の作品が次々と復興収入は

最高と黒字の大儲けで映画会社は大成功を収めている奇妙な構図となった。

 

ニューヨーク市内のとある港がすぐ近くにある閉店済みの魚屋の市場跡に住んでいた

80歳のホームレスが自分の家に戻った際に奇妙なものを見たと

ニューヨーク市警に通報が入った。そしてすぐにニューヨーク市警を通してすぐさま

ハウンドウルフ隊に伝えられて『バイオテロ』の可能性があるかも知れないと言う

警察官の指摘にそれらの調査の為にハウンドウルフ隊はクリス・レッドフィールド隊長

と共にそのかつてホームレスの老人の家だった閉店済みの

魚屋の市場跡の壊れかけたドアを破壊して突入した。

クリス・レッドフィールド隊長は両手でハンドガンを構えた。

(これはUSーMAIと言うらしい)他の隊員のアンバーアイズも

アメリ海兵隊のハンドガンを構えていた。ロボはPT機関銃を両手で構えた。

ナイトハウルルーマニアのAKのクローンのドラグーンを両手で構えていた。

タンドラもしっかりと両手でドラグーンを構えていた。

ハウンドウルフ隊はしばらく周囲を警戒しつつも銃器を構えてうす暗い市場跡の

広い場所を歩いて進み続けた。そしてクリス隊長はその市場跡の広場の

長四角形の空間があまりにも異様に見えていた。

既に広場の机や冷蔵庫や冷凍庫を初めとしたかつて使用されていたと思われる

金属製の机や椅子や棚や多くのかつて市場で営業していた時に使われたであろう

物品や鉄筋コンクリートの一部や金属の床と

言ったものが原形を留める事無く崩壊していた。

いや正確にはまるで飴細工をかき混ぜたように全てがひとつに融合していて

溶け合った大小の山々の形をした模様が部屋中を覆い尽くしていた。

もう全ての物品は間違いなく使用不能であろう。

「なんだ?これは?」とロボは信じられない様子で見ていた。

「これはウィルス兵器じゃないな。バクテリアか?」とアンバーアイズ。

「隊長!どうやら我々はアンブレラ社とは別の多国籍企業負の遺産を発見してしまったようです!」と言ってクリス隊長にナイトハウルジェネシスの分析結果を見せた。

「これは・・・・」とクリス隊長は渋い顔をした。

するとそれに同調するようにナイトハウルも渋い顔をした。

「間違いありません。1997年に発見された金属を喰らって成長する

新種のバクテリア『DOOP(ドォープ)』です。

現在は赤い宝石の形のコア(核)ユニットは確認されていません。

どうやらホームレスの留守中にひと暴れしたようです。」

「女性の性被害者は?」とクリス隊長。

「分かりません。先に行かないと!」とロボ。

「うわっ!やっぱり!やられてた!ルーシの時みたいに赤ちゃんとしてではなく!!」

急にナイトハウルはうす暗い広場をよく見ようと付けたSLDライトの光に

浮かび上がった物体を見て驚きの表情を浮かべた。

「ひっ!いやだあっ!最悪ッ!いやあああああっ!」

タンドラは全身を震わせて天井の物体を見た。

「マジ・・・かよ・・・」と信じられずロボは茫然と見ていた。

「どうやら彼らは地上での繁殖も試みているようですね。」

唯一冷静に落ち着いた口調でナイトハウルは言った。

 

(第68章に続く)