(第25章)最強の詐欺師宇宙人

おはようございます。
相変わらず停滞していますが……
ゴジラの自作小説を載せます。

(第25章)最強の詐欺師宇宙人

犯人グループの宇宙人の逮捕の為の緊急会議で、美雪と神宮寺博士の説明が終わると、
ロシアの地球防衛軍の『特殊生物犯罪調査部』
ジーナやガーニャ、サミー、日本の『特殊生物犯罪調査部』の4人が、
尾崎を始めM機関のミュータント兵、地元網走の警察官やインターポールの関係者に説明を始めた。
 ガーニャは会議室に設置された巨大なスクリーンの上部に、
身体は青色で蛇らしき頭部から2本の触覚が生え、また下顎だけが二つに裂け、
細長い尻尾と8本の蜘蛛の様な触手を持っている生物のスケッチを映し出し、
下部にはカナダで回収されたスケッチと同じ5体の蛇と蜘蛛を
掛け合わせた生物の抜け殻の写真を映し出した。
 それからガーニャは熱心に説明を始めた。
「スクリーン上部の宇宙人のスケッチは、私がカナダの大学で
最初に目撃した宇宙人の子供です!また!スクリーンの下部の
写真はカナダで回収した5体の宇宙人の子供と思われる抜け殻です!」
美雪は
「恐らく5人の宇宙人達の正体はこの生物だと思われます!
ただどうやって人間に擬態しているのかはまだ分かっていません!」
「これから残り4人の宇宙人達を拘束する為に幾つかの規則を作りました!」
ジーナは言うと幾つかの規則が書かれた資料を配り始めた。
 尾崎はそれを読んでたちまち驚きのあまり目を丸くし、口をポカンと開けた。
 他のミュータント兵やゴードン大佐も同じだった。

 東京の日東テレビのスタジオで、美雪の姉の音無杏奈は
『ミュータントの少子高齢化社会』に関するニュース特集を報道していた。
 杏奈は世界中で確認されるミュータントの年間出生率を調べている女性学者に向かって
「最近、ミュータント人口が減少しつつあるという研究結果がありますが、本当でしょうか?」
するとその女性学者は説明を始めた。
「それは本当です!確かに以前まではかなり高い出生率があり
ました!しかし数年前のX星人の総攻撃の年をピークに、
世界中のミュータントの総人口は年々減少しつつあります!」
杏奈は
「それでは?人間の少子化と同じ様に出生率も低下しているようですね!」
その女性学者は頷くと
「それに伴って!何万分の一の確率で誕生する『カイザー』も、
これからミュータントの人口の減少により、その誕生の確率はさらに低下するでしょう!」
と説明した。

 網走ホテルの会議室で、サミーは咳払いをすると大声で幾つかの規則を発表した。
「このM機関を始め!この宇宙人捕獲捜査に関わる全ての人間の恋愛関係を厳しく制限します!」
ニックは
「マジかよ……」
とつぶやいた。
更にガーニャは
「恋人はもちろん、親友でも油断は出来ません!
また見ず知らずの特に金髪の女性に注意して下さい!」
さらにジーナは
「また逃亡する4人の宇宙人の捜査する際は、
必ず男1人女性2人のペアーを組んで下さい!」
サミーは
「その理由は彼が説明します!……」

 東京の日東テレビのスタジオで女性学者の説明が続いていた。
「また!M塩基を持つ怪獣達もミュータントの人口の低下に伴い徐々に減り始めています!」
司会の杏奈は
「またミュータントの高齢化も進んでいるそうですね?」
女性学者は
「はい!ミュータントは高齢化すると、普通の人間と同じ位の
運動能力まで弱くなる事が分かりました!現在、ミュータント
少子高齢化が進み、世界中にある地球防衛軍のM機関で、
深刻なミュータント兵不足になっています!」
杏奈は
「国連の地球防衛軍ではミュータントの少子高齢化対策を具体的にどのようにしているでしょうか?」
女性学者は
「人材の獲得の為、生き残りのミュータントを懸命に探しています!」
とだけ答えた。

 網走のホテルの会議室では犯人グループの宇宙人の逮捕の為の緊急会議が続いていた。
ガーニャは
「私はカナダの大学で初めて宇宙人に遭遇しました・・・・
その宇宙人達は種の存続の為に人間に擬態して、人間社会に潜
り込み、あなた達の友達や恋人になり、種を残す機会をじっと
狙っています!まるで物陰に潜む獣の様に!」
近くに座っていたジェレルは思わず宇宙人のレイの事を思い出した。
ガーニャは話を続けた。
「誰も自分の恋人や友達が宇宙人であるとは夢にも思いません!
目の前に宇宙人がいる事にさえ気がつきません!
相手は……人間が必ず持つ先入観に付け込み、誘惑して男を騙す!最強の詐欺師です!
一瞬の判断ミスが命取りになります!
実際!私もカナダの大学で宇宙人退治に協力してくれた
唯一の仲間だったサンドラに裏切られ、危うく命を落としかけました!
あの裏切られた時の恐怖は一生忘れられません!彼女のせいで精神病院送りにされました。
それ以来、私は女性恐怖症になり、まともな恋愛ができなくなりました!
ですので確実に宇宙人達を捕まえるには人間の女性の存在が必要不可欠です!
相手はどんな手で誘惑してくるか分かりません!
少しでも判断を誤れば翌朝には凍死体となって発見されるでしょう・・・・」
その非情なガーニャの言葉に男性全員絶句して無言となった。
ガーニャは
「それから私は精神病院を退院し、大学に復帰した後、新しい
同級生の、今は皆地球防衛軍の一員ですが、サミーとジーナと
一緒に協力して、宇宙人達を退治しようとしました。しかし5
体の宇宙人の子供に襲われ、退治できませんでした……
これが私の大学で起こった宇宙人の事件です!」
ジーナは
「とにかく大事なのは!男性は宇宙人の女性の見た目に騙されてはいけません!
実際、力はあまり強くありませんが……その分!知恵がかなりあります!」
ガーニャは
「だから……彼女達を逮捕するには、騙されないように強く意識する事が大事です!
また逮捕後も主に女性が看守となり!
男性は常に警戒を怠ってはいけません!
彼女達は男性の性質を利用していとも簡単に脱走してしまいます!」
ジーナが
「皆さん!早期事件解決の為!最善を尽くしましょう!」
との最後の激励の言葉を述べて緊急会議は終了した。
 それから網走の交番に、付近を逃走中のレベッカ、シャラン、メイスン容疑者を
見たと言う地元住民の通報が入ったので、すぐに尾崎達とガーニャ達は現場へ向かった。

(第26章に続く)