(第39章)『第三の堕天使』
北村は、新設されたアルカドラン地下研究施設の中枢部の控え室で、
MWM社の上層部とアメリカ大統領のエバートと言う人物が視察に来るための準備をしていた。
ローランドが最新の研究資料をまとめていた。
北村はふと顔を出しその研究資料を読んだ。
「アオシソウが腐ったアカツキシソウは、知的生物に融合される事無く、
次第に宿主を次第に蝕み、発狂させたあげく
宿主もろとも死滅してしまうが、幾つかタイプの
知的生命体にはそのような効果が無く、宿主に逆に吸収されてしまう。
それが地球の生命体だった可能性が非常に高い。
またアオシソウを吸収した知的生物が、
他の生物の形態を自分のものとする能力を得る場合がある事が分って来ている。
つまり元々アオシソウは純粋な寄生生物では無く、融合捕食菌である事が判明した訳である。
ちなみにアオシソウに吸収された知的生物の体内にはM塩基が生じる事があり、
宿主は特殊な力を得る。
これらの突然変異がG塩基で、共に遺伝する。」
顔をしかめつつ再び北村は研究資料に目を向けた。
「なお、M塩基の全ての起源がアオシソウにある訳では無く、
Ⅹ星人の知っているM塩基は別の起源を持っているようだ。
だからⅩ星人はアオシソウと地球生命体内のM塩基との関係を知らないでいる。
Ⅹ星人はアオシソウの「寄生性」と「支配性」
の特徴を遺伝子操作して、宿主の知能を利用できるノフェラトゥを作り出した。
ギドラ族の祖先の一部もアオシソウを吸収する事でM塩基、
G塩基を持つに至ったのではないか。同属のバガンも同様である。
だが彼らが本来的に地球起源の生物かどうかは不明であり、
彼らがプテラノドンや恐竜の形態を模倣したと言う説は
現時点での仮説に過ぎない。」
「なかなか……複雑ですね……」
「う~む!どう解釈したらいいか?
しかし我々の目的は歴史解明でなく、現象の有益な利用だ。しかし…」
と2人は控え室の椅子に座り考え込んでしまった。
北村は、新設されたアルカドラン地下研究施設の中枢部の控え室で、
ローランドが最新の研究資料をまとめていた。
北村はふと顔を出しその研究資料を読んだ。
「アオシソウが腐ったアカツキシソウは、知的生物に融合される事無く、
次第に宿主を次第に蝕み、発狂させたあげく
宿主もろとも死滅してしまうが、幾つかタイプの
知的生命体にはそのような効果が無く、宿主に逆に吸収されてしまう。
それが地球の生命体だった可能性が非常に高い。
またアオシソウを吸収した知的生物が、
他の生物の形態を自分のものとする能力を得る場合がある事が分って来ている。
つまり元々アオシソウは純粋な寄生生物では無く、融合捕食菌である事が判明した訳である。
ちなみにアオシソウに吸収された知的生物の体内にはM塩基が生じる事があり、
宿主は特殊な力を得る。
これらの突然変異がG塩基で、共に遺伝する。」
顔をしかめつつ再び北村は研究資料に目を向けた。
「なお、M塩基の全ての起源がアオシソウにある訳では無く、
Ⅹ星人の知っているM塩基は別の起源を持っているようだ。
だからⅩ星人はアオシソウと地球生命体内のM塩基との関係を知らないでいる。
Ⅹ星人はアオシソウの「寄生性」と「支配性」
の特徴を遺伝子操作して、宿主の知能を利用できるノフェラトゥを作り出した。
ギドラ族の祖先の一部もアオシソウを吸収する事でM塩基、
G塩基を持つに至ったのではないか。同属のバガンも同様である。
だが彼らが本来的に地球起源の生物かどうかは不明であり、
彼らがプテラノドンや恐竜の形態を模倣したと言う説は
現時点での仮説に過ぎない。」
「なかなか……複雑ですね……」
「う~む!どう解釈したらいいか?
しかし我々の目的は歴史解明でなく、現象の有益な利用だ。しかし…」
と2人は控え室の椅子に座り考え込んでしまった。
東京警視庁の取調室で、凛がその茶色い疑いの目で謎の老人をじっと睨みつけていると、
老人は凛に視線を合わせ、小さいしわがれた声で語り始めた。
「……サンドラ達を陰で操っていた人物がいる。」
凛は驚いた口調で
「その人物は誰?何者なの?」
「人の悪意に無意識に侵入して微妙に操る事ができる、非常な力を持つ隠れた者じゃ!
地球人の言葉を借りれば霊能力者で過去も読める。
歴史さえ改ざんして、大規模にⅩ星人も地球人も滅ぼそうとしている!
サンドラのあのウィルス計画もその一部に過ぎない……」
「その人物のことは、サンドラ達や他のノスフェラトゥも知っているの?」
老人は首を左右に激しく振り、
「伝説が伝わっているだけじゃ!」
凛は、また老人の作り話かとも思いながら、宇宙人の伝説話に個人的な興味を持ち
「その伝説って何?詳しく聞かせて!」
「悪魔じゃよ。あんたらが知っているような、誘惑して自分を失わせるディアボロスでも無く!
恐怖と貪欲と死のサタンでも無い……積極的で意識的な悪意に寄生して自我を食いつくす
『第三の堕天使』。その悪魔に繋がりを持つ人物がいたと我々の間では伝えられている!
その人物はデスギドラも利用して闇の世界で暗躍しているということじゃ!」
凛は老人が怪獣のことにあまりに詳しいことに気づかず、
むしろ興奮して老人が知らないはずのことを口走っていた。
「でも!デスギドラは数年前、ケーニッヒギドラとゴジラに封印された筈じゃ?」
老人はニヤリと笑い
「その通りじゃ!ただ我々が言い伝えていた伝説からすると、
デスギドラのような者の力の圏内に触れていれば、
その『第三の堕天使』の圏内に自然とリンクし、無意識の自分を餌にされて行くのじゃよ!
従って多くのノスフェラトゥも人間も、もちろんⅩ星人も、
『第三の堕天使』の影響を受けて危険な状態にあるのじゃよ!」
その瞬間、凛は一老人の目に謎の激しい殺気の様なものを感じ、思わず全身に鳥肌が立つのを感じた。
しかし老人は何事も無かったように話を続けた。
「しかも『第三の堕天使』は、ノスフェラトゥかあるいは人間、
Ⅹ星人、ミュータントを器として利用し、すでに私達の社会に獣のように身を潜めているかもしれん……身近な親友や仲間が敵になるかもしれない……気を付けるのじゃよ!」
「じゃ!その『第三の堕天使』と洋子さんにあげたあの
『ヤサカニノマガタマ』とは一体何の関係があるの?
大体そんなものを一体どうやって拾ったの?
もしあの勾玉が本物なら、確か何年か前に京都の海の底に沈んでいる筈よ……」
老人は再び口を固く閉ざし、黙り込んだ。
凛は額に冷や汗をかきながら
「あたし!そろそろ行かないと!」
と椅子から立ち上がり、老人との面会を終え、警視庁を後にした。
車を運転している中、凛は一瞬、謎の激しい殺気を感じた事を思い出し、
「あのお爺ちゃんの目……ただものじゃないわ!
あたしや洋子ちゃんにとっても危険な存在かも知れない……」
とつぶやいた。
JVBスタジオでは怪獣世界について精神科医と心理学者と
分子生物学者達の激しい口論が続いていた。
「もう一度言いますが!それは科学じゃなくて!宗教なんですよ!自分の心理を疑ってごらんなさい!」
別の分子生物学者も
「怪獣は実際にいて!私達の街を壊しているんですよ!」
しかし心理学者はムッとした態度で
「でも!我々は精神世界が物質に何らかの影響を与える可能性はあり得ると思っています!」
「だから!それは宗教的な話でしょ?科学の中にどうしてあなた宗教を持ちこむんですか?」
「あなたこそ!どうして?物質世界だけに科学を限定するんですか?
そんなことはあり得ないとどうして言い切れるでしょう?」
と反論した。
「証明が無いからですよ!だったら電波でも脳波でも何でもいいから!証拠を見せなさいよ!」
と分子生物学者達は心理学者を突き放した。
(第40章に続く)
老人は凛に視線を合わせ、小さいしわがれた声で語り始めた。
「……サンドラ達を陰で操っていた人物がいる。」
凛は驚いた口調で
「その人物は誰?何者なの?」
「人の悪意に無意識に侵入して微妙に操る事ができる、非常な力を持つ隠れた者じゃ!
地球人の言葉を借りれば霊能力者で過去も読める。
歴史さえ改ざんして、大規模にⅩ星人も地球人も滅ぼそうとしている!
サンドラのあのウィルス計画もその一部に過ぎない……」
「その人物のことは、サンドラ達や他のノスフェラトゥも知っているの?」
老人は首を左右に激しく振り、
「伝説が伝わっているだけじゃ!」
凛は、また老人の作り話かとも思いながら、宇宙人の伝説話に個人的な興味を持ち
「その伝説って何?詳しく聞かせて!」
「悪魔じゃよ。あんたらが知っているような、誘惑して自分を失わせるディアボロスでも無く!
恐怖と貪欲と死のサタンでも無い……積極的で意識的な悪意に寄生して自我を食いつくす
『第三の堕天使』。その悪魔に繋がりを持つ人物がいたと我々の間では伝えられている!
その人物はデスギドラも利用して闇の世界で暗躍しているということじゃ!」
凛は老人が怪獣のことにあまりに詳しいことに気づかず、
むしろ興奮して老人が知らないはずのことを口走っていた。
「でも!デスギドラは数年前、ケーニッヒギドラとゴジラに封印された筈じゃ?」
老人はニヤリと笑い
「その通りじゃ!ただ我々が言い伝えていた伝説からすると、
デスギドラのような者の力の圏内に触れていれば、
その『第三の堕天使』の圏内に自然とリンクし、無意識の自分を餌にされて行くのじゃよ!
従って多くのノスフェラトゥも人間も、もちろんⅩ星人も、
『第三の堕天使』の影響を受けて危険な状態にあるのじゃよ!」
その瞬間、凛は一老人の目に謎の激しい殺気の様なものを感じ、思わず全身に鳥肌が立つのを感じた。
しかし老人は何事も無かったように話を続けた。
「しかも『第三の堕天使』は、ノスフェラトゥかあるいは人間、
Ⅹ星人、ミュータントを器として利用し、すでに私達の社会に獣のように身を潜めているかもしれん……身近な親友や仲間が敵になるかもしれない……気を付けるのじゃよ!」
「じゃ!その『第三の堕天使』と洋子さんにあげたあの
『ヤサカニノマガタマ』とは一体何の関係があるの?
大体そんなものを一体どうやって拾ったの?
もしあの勾玉が本物なら、確か何年か前に京都の海の底に沈んでいる筈よ……」
老人は再び口を固く閉ざし、黙り込んだ。
凛は額に冷や汗をかきながら
「あたし!そろそろ行かないと!」
と椅子から立ち上がり、老人との面会を終え、警視庁を後にした。
車を運転している中、凛は一瞬、謎の激しい殺気を感じた事を思い出し、
「あのお爺ちゃんの目……ただものじゃないわ!
あたしや洋子ちゃんにとっても危険な存在かも知れない……」
とつぶやいた。
分子生物学者達の激しい口論が続いていた。
「もう一度言いますが!それは科学じゃなくて!宗教なんですよ!自分の心理を疑ってごらんなさい!」
別の分子生物学者も
「怪獣は実際にいて!私達の街を壊しているんですよ!」
しかし心理学者はムッとした態度で
「でも!我々は精神世界が物質に何らかの影響を与える可能性はあり得ると思っています!」
「だから!それは宗教的な話でしょ?科学の中にどうしてあなた宗教を持ちこむんですか?」
「あなたこそ!どうして?物質世界だけに科学を限定するんですか?
そんなことはあり得ないとどうして言い切れるでしょう?」
と反論した。
「証明が無いからですよ!だったら電波でも脳波でも何でもいいから!証拠を見せなさいよ!」
と分子生物学者達は心理学者を突き放した。
では♪♪