(第31章)破局と脅し

おはようございます。
ゴジラの自作小説です。

(第31章)破局と脅し

 網走の病室内で友紀と蓮の互いに言い争う声が聞こえた。
友紀は
「蓮君、あたしのこと本当に好きなの??」
蓮は
「本当さ!愛しているよ!」
しかし友紀は
「それじゃ何でいつもあたしじゃなくて!事ある度に洋子ちゃんに……どうしてよ……」
蓮は必死に説得しようと
「彼女は……誰かに命を狙われているんだ!」
友紀は
「宇宙人だから??そう言って近くにいたいんでしょ??」
蓮は
「だから!それは誤解だ!」
友紀は
「もう!いいわよ!あなたとは付き合わない!キッパリ別れま
しょう!」
蓮はその言葉に唖然とし、焦った口調で
「それは……困る……」
しかし友紀はさらに大声でその蓮の声をかき消し
「あたしだって困るのよ!いつも周りの生徒からお似合いのカ
ップルって!あなたがこれ以上あたしと真剣にお付き合いする気が無いなら!」
蓮はとうとう怒り出し
「分かったよ!勝手にしろ!」
 友紀は泣きながら蓮の病室を飛び出して行った。
そして近くの廊下の角でしゃくり上げ、大声で泣き始めた。

 網走警察署ではM機関やガーニャ達が集まり緊急会議が開かれた。
 ガーニャは悔しそうな表情で
「迂闊だった!」
と大声で言った。
 その4人の姿を模倣した機械人形を調べていたニックは
「これは……どうやら4人の行動パターンが精密にプログラムされています!
また自分達が吹き込んだと思われる特殊な言語ケースが見つかりました。
この機械人形は本人と全く同じ姿で、同じ行動や言語をしゃべれるように出来ているようですが、
唯一記憶はない様です。」
と答えた。
ガーニャは両手で頭を抱え込み
「私のミスのせいだ……」
と言いながらイスに座り込んだ。
するとジーナは
「あなたのせいじゃないわ……」
サミーは
「俺達の判断ミスだ!」
尾崎がゴードン大佐に何か耳打ちをしていた。
しばらくして尾崎は
「皆!聞いてくれ!」
やがて全員が静かになると尾崎は
「先程……網走の海岸にゴジラが上陸しました!」
サミーは
ゴジラが??」
ガーニャは
「クソ!こんな時に!」
更に尾崎は
「またサンドラが変身したと思われる身長の5mゴジラに類似
した謎の怪獣は、ローソン付近で地元の警官や国際警察、機動
隊と交戦しました!しかし武力では抑えきれず取り逃がしました!」
ガーニャは
「なんだって??サンドラが??」
尾崎は話を進めた
「我々M機関は網走沖に上陸したゴジラを迎え撃つ為、轟天号
に乗って出撃します!ガーニャ達は逃亡中の3人とサンドラを
探して欲しい!彼女の怪獣化が進めばゴジラ並みに巨大化する
恐れもあります!十分用心して下さい!」
ガーニャは
「分かった!必ず!仲間のジェレルは救出します!」
アヤノが何かを決意した様子で
「あたしも!ガーニャ達の捜査に参加させて下さい!万が一怪
獣化したサンドラに出会ったら!戦闘の経験のあるあたしがいれば!」
尾崎は驚いた様子で
「アヤノさん!」
ゴードン大佐は考えながら
「分かった!しかし……そうなるとオペレーターがいなくなってしまうな……」
するとニックとグレンが
「それなら俺達が!」
と名乗り出た。ゴードン大佐は
「分かった!」と答えた。
そしてアヤノ以外のM機関のミュータント兵は網走警察署の特
殊な格納庫から轟天号に乗り込み、粉雪が舞う中、ゴジラが上
陸した海岸へ向かって出動した。

 網走の病院の37階の階段で長野先生は誰かを待っていた。
 そこに突然、非常階段のドアから変装した4人の女性が現れた。
長野先生は驚いた表情で
「嘘……あなた達……どうやってここまで??ニュースでは貴
方達は網走の警察署に……」
すると一人の金髪の女性は
アメリカ人の技術者に頼んで造ってもらった精密な機械人形
を囮にしたの!」
長野先生は動揺した様子で
「でも……あたしはもうこれ以上!関われないわ!今急いでいるの!」
別の黒髪の女性が眼鏡をかけ直し
「それはどうしてかしら?」
すかさず長野先生が
「どう言う事よ!」
「あなたと洋子さんの正体を知っているのはあたし達だけよ……」
長野先生は怒った顔で
「それがどうしたって言うの、メイスン??第一あたし達の正
体を世間にバラしたって誰も信じてくれないわ!」
しかし隣にいた金髪の女性は
「それじゃ?あなたの過去の事をバラしても?」
と言うと、幾つかのカナダや日本の検死結果と死亡証明書をチラつかせた。
長野先生は
「シャラン……あたしを脅すつもり!」
別の金髪のショートヘアーの女性は
「あなたはロシアの大学に留学中、交通事故に遭って死亡した。
そしてあたし達より年配の宇宙人が日本人の死体に乗り移った。
本当は長野じゃなくて確か……永見だっけ?」
長野先生は歯ぎしりして
「やめなさい!レベッカ!」
と怒鳴った。レベッカは笑いながら
「私たちは乗り移った人間の記憶も同時に持っている。それが
邪魔だと思わないの?あなたは今どっちの意識でしゃべっているのかしら。」
長野先生は
「確かに……そうかも知れない……でも!あなた達の考え方と
は違うわ!あたし達のコミュ二ティの仲間も同じ考えよ!あな
たたちのように野望を持って人間の世界を乱したい訳じゃない!」
と厳しい表情で言った。

(第32章に続く)

ではまた載せます♪♪