(第57章)『プロメテウス計画』第2段階

こんにちは旗内です。
ゴジラの自作小説を載せます。

(第57章)『プロメテウス計画』第2段階

CCI・真鶴特殊生物研究所ではMWM社の上層部,
つまりノスフェラトゥ達の会議が行われていた。
「結局!現在進行中の『プロメテウス』
はマークや樟運佑離蹇璽薀鵐匹繁迷爾、M塩基破壊兵器の凶暴なジラと
G塩基を組み込んだA群溶血性レンサ球菌を生み出しただけだ!」
「もう!あの地下研究所は我々には必要ない!」
「そもそも我々が地球に来た当初の目的とは全く異なっている!」
「我々の最終目標はこの地球で樟運傭の差別から逃れて!種を存続させる事だ!」
「せっかく!北村達に動物愛護団体が来ると言う偽情報を流し!
小笠原怪獣ランドの研究所を封鎖させ!樟運佑縫丱譴覆い茲Ε▲僖薀船∋殻に
再建設されたアルカドランに移転させたのに!」
「全く!なんたるザマだ!更にマークは独断でこの計画に関係ない筈の
音無美雪さんまで巻き込んでしまった!」
トオルはおずおずと
「また?どこかに建設をするんですか?」
しかしオーストラリア人は苦笑しながら
「それは!お金の無駄使いだ!」
「実際!小笠原怪獣ランドの地下研究所のアルカドランは一時的に封鎖したに過ぎない!」
更にロシア人は
「悪い芽は早めに間引きしなければならぬ!当然!美雪さんの誘拐事件もここで終わりだ!」
「しかし!その前にプロメテウス計画の正統な第2段階が目前に控えている事を忘れてはならない!」
「我々の手にはその第2段階の準備に一番必要なG塩基とゴジラのDNAを持つサンドラが必要だ!」
中国人の楊は椅子から立ち上がり
「それでは第2段階実験後!あのアパラチア山脈の地下研究所
の後始末や美雪さんやサンドラさんの救出はどうするんですか?」
とドイツ人に尋ねると
「後始末は!M塩基破壊兵器を一掃しようとする樟運佑旅況發鰺?僉
美雪さんとサンドラさんの救出は、日本の地球防衛軍の特殊部隊に任せようと思ったが……」
とまで言うと一瞬の沈黙が漂い、それから隣にいたオーストラリア人が
「だが!あのM塩基破壊兵器を開発しているグループのノスフェラトゥの女が
我々の計画に反対して!すでに地球防衛軍本部内で妨害工作を……」
楊は腕組みし
「たしか?日本地球防衛軍本部の特殊部隊スピーシ・バッグの兵士の一人だったかしら?」
「日本地球防衛軍本部の特殊部隊は少し兵士達の教育が甘かったようだ!」
さらに日本人らしき人物が
「左様!我々や地球防衛軍を裏切った罪は重い!」
ロシア人は苦い思いを噛みしめながら
「なんて事だ……」
「それでも最終実験後の美雪さんとサンドラさんの救出を何とかしなければ!」
「恐らく!樟運傭なら、謎の多いG塩基の研究サンプル用に彼女を殺すような真似はしないだろう!」
「それに!軽自動車の燃料のBDFをあの地下研究所に設置してある!」
「地下研究所ごと爆破するにはもってこいですね!」
トオル
「プロメテウス計画の第2実験が終了し!
美雪さんとサンドラを地球防衛軍が救出したのち、予定通り!
マークや樟運佑筌謄蹈螢好肇哀襦璽廚砲話浪叱Φ羹蠅閥Δ望辰┐凸磴Α」
それから隣でドイツ人は
「予定通り!樟運佑楼榲召靴織▲襯ドランの研究所を発見した!」
「それに!我々の計らいで、日本の地球防衛軍の特殊生物犯罪
調査部で母親の音無美雪さんの行方を追っている娘の音無凛さんを、
帝洋パシフィック製薬の上層部のローランドに接触させた!」
「彼女はそれなりの訓練は積んでいる!全ては母親を助ける為にね!」
「泣かせるねぇ……」
と会議室の中の誰かが小さい声で呟いた。
「『スピーシ・バッグ』を動かすには!一刻も早くその内部に
いるスパイの動きを封じ!第2実験終了後の美雪さんとサンドラさんの救出の準備をしなければ!」
「それは心配には及ばぬ!すでに手は打ってある!」
「プロメテウス計画の第2実験はアメリカのアルカドランの地下研究所ですでに始まろうとしている!」
それからロシア人は笑みを浮かべ意味深気に
「彼女を諜報員にした甲斐があったな!以上で会議を終了する!」

 アメリカ・アパラチア山脈にあるシェナンド国立公園。
 ガイガンはモノアイの赤いモニター越しから
木々の遠くに見える背びれの生えた恐竜の姿をした怪獣を映し出した。
モノアイには
「目標??」
と表示された。再び「保護対象検索モード」に変わり、ゴジラ
の全身の写真が表示され、
「身長100m、体重5万5千トン、尾の長さ100m…」
「怪獣、体格一致、保護対象確認」
と表示された。
その時、モノアイの赤い画面に
「緊急アクセス!」
と表示された。
「樟運妖?輯韻茲蝓7彁山阿領∪擇蠎圍何佑鯔?Δ擦茵」
更にモノアイの赤い画面にローランドと北村と言う人物の顔写真が表示されると
「この2人はスパイ任務の途中!我々を裏切り!マーク・アーヴィンや
その他ノスフェラトゥの研究員達と、
極秘にM塩基破壊兵器の開発に深く関連協力していた事が判明!……
ただちにこの2人をジラ、M塩基破壊兵器、地下研究所のアルカドランと同様!完全に抹殺せよ!」
しばらくして
「情報処理中……」
と表示され続け、やがて
「情報処理完了!了解!遂行する!」
と表示されるとゴジラとは別の場所にドーンと地響きを立てて、降り立った。
それからガイガン歩き始める度に地面がガタガタ揺れた。
 待機していた米軍やアメリ地球防衛軍ガイガンの出現を確認すると、
一斉にガイガンに向かってアサルトライフルやミサイル、レーザーで攻撃を開始した。
更にガイガンの真後ろの遠くから
「グギャアアアッ!」
と怪獣の唸り声が聞こえた。
ガイガンはすぐに振り向いて、モノアイのモニター越しに地面から背びれの生えた怪獣を確認した。
拡大するとその怪獣は逆三角形の頭部をしていた。
ガイガンは再びジラの全体写真を写し出し、データを分析していたが
「目標ジラ!確認!抹殺を始める!」
と表示されるとジラが現れた方向に変え、木々や米軍の戦車を静かに踏み潰し、歩き始めた。

 東京、洋子の自宅で腕組みをしながら蓮は心の中で,
凛と連絡は取りたいが……ボルチモアのホテルでスパイ活動をしているから無理だなと思うと洋子に
「駄目だ!訳の分からない老人の言葉を真に受けて!自分が危険な目に遭ったらどうする!」
洋子は落ち着かない様子で
「でも!行かないと……空港のチケットは取れるでしょ?」
蓮は更に大声を上げ、
「駄目だ!それに!今チェサーピーク湾からゴジラが現れて!
アパラチア山脈ガイガンやジラも現れたんだ!きっとどの空港も飛行を見合わせている!」
洋子は怒りに顔を歪ませ
「なんでだめなのよ!」
と反論した。
しかし蓮は
「じゃ!質問する!凛の所に行ってどうするつもりだ!」
洋子は思わず口ごもり
「それは……分からないわ……」
「もういい加減!老人の言葉は忘れろ!訳の分からない世界にのめり込こむな!」
「なんでよ!」
「君が心配だからこそ!言っているんだ!あの老人の言う事は全て嘘だ!
君を良くない世界に引きずり込もうとしている!今後一切!あの老人に耳を貸すな!」
と片手を振り上げ、蓮は怒鳴った。

(第58章に続く)

では♪♪