(第36章)魅了

(第36章)魅了
 
御月製薬北米支部の極秘研究所ハイブの最下層の巨大コロシアム。
「じゃ!あんたの役割はこれで終わった筈だ!」
「そうね!おとなしく元の真魔界に戻りなさい……用は済んだでしょ?」
鋼牙とジルの言葉にアナンタはクスクス笑い、こう言った。
「おとなしく真魔界に帰れって?酷いじゃないかぁ!
せっかくベルゼビュート様に封印を解いて貰ってさ!
しかも究極の破壊の神とは名ばかりの弱小の神の姿をした
魔獣ホラーを一匹、封印しても!つまらないじゃないか?」
その時、ザルバは不意に声を上げた。
「マズイ!来るぞ!早く回避するんだ!」
ジルと鋼牙は咄嗟に左右に駆け出した。
次の瞬間、アナンタは巨大な花の形をした頚部を広げた
コブラの頭部の首の部分を高速で伸ばした。
同時に大きく口を開け、鋭利な鋭い牙で鋼牙とジルに噛みつこうとした。
ドゴオオオオオオオオオオオオオン!
巨大なコロシアムは地震の様に
大きく揺れたので鋼牙とジルは反射的に振り向いた。
アナンタは鋭利な牙でコロシアムの分厚い床の表面を
一撃で噛み砕き、分厚い金属を抉り取っていた。
「外しちゃったかな?いや!当たったよね!」
アナンタは楽しそうにクスクスと笑った。
「何!ジル!大丈夫か!」
鋼牙は直ぐにジルの方を見た。
見るとジルは右肩を押さえ、痛みがあるのか少し顔を歪ませた。
どうやらアナンタの牙はジルの肩をかすったらしい。
ジルは青い瞳で右肩の傷を見た。
右肩の傷は皮膚を浅く横線に切っているだけで
怪我自体は大した事は無かった。
しかし……。間も無くしてジルの表情は徐々に変わって行った。
「あうっ!はっ!がっ!まさか?蛇の毒?ぐっ!はあっ!」
ジルは全身に鋭い痛みが走った。
続けて急激に全身の神経が麻痺した。
ジルは全身が麻痺してしまい
立っていられなくなりペタリと床に座りこんだ。
間も無くしてジルはうつろな青い瞳でアナンタをぼーつと見ていた。
「ジル!しっかりしろ!ジル!」
鋼牙は呼びかけたがジルは一切反応しなかった。
ジルの顔は紫色に変色しているものの
両頬と深い胸の谷間は何故か紅潮していた。
ジルは口をだらりと開け、はあはあと息を吐き続けた。
「マズイ!鋼牙!アナンタの毒だ!早く解毒しないと!」
慌ててザルバが鋼牙にアドバイスしている中、
ジルは再び全身に鋭い痛みを感じた。
そしてビクン!と全身とBSAAの服に覆われた
柔らかく張りのある大きな丸い両胸は上下に僅かに揺らした。
「はあうっ!あっ!痛っ!気持ちいいっ!ああっ!はっ!」
ジルは僅かに笑った。
間も無くして急檄に麻痺していた神経が徐々に戻り始めた。
これによりジルは再び全身に力が入った。
ジルは未だにただぼーつとアナンタを見つめ続け、
自らの意思で動こうとしなかった。
「ジル!しっかりしろ!聞えているのか??」
「駄目だ!鋼牙!束縛は消えたが!
まだ毒と魅了が残っている!このままじゃマズイ!」
アナンタの毒を受けたジルはフラフラと立ち上がった。
そしてジルも両頬と深い胸の谷間も未だに紅潮していた。
ハアハアと息を吐き、何処か苦しそうだった。
続けてまたジルの全身に鋭い痛みが走った。
「うっ!ふうん!はっ!いっ!」
ジルは微かに喘ぐような高い声を途切れ途切れに上げた。
またビクン!ビクン!と全身とBSAAの服に覆われた柔らかく
張りのある大きな丸い両胸はまた微かに上下に僅かに揺れた。
「ジル!アナンタ!貴様!」
鋼牙は白いコートの赤い内側から赤い鞘を取り出し、両手で構えた。
しかし直後、ジルは鋼牙に向かって走り始めた。
「ジル!待て!うわっ!」
鋼牙は不意を突かれ、吹き飛ばされた。
ジルは鋼牙の下腹部に強烈なパンチを叩きこんでいた。
鋼牙はそのままコロシアムの分厚い金属の壁にビタンと叩き付けられた。
しかしどうにか両足を踏ん張り、落ちた場所で立ち続けた。
すかさず鋼牙は魔導輪ザルバに助言を求めた。
「どうなっている!まさか操られているのか?」
「違う!魅了の力だ!」
「どうすれば治る?」
「仙水だ!仙水を使え!」
ザルバの助言に鋼牙は白いコートの赤い内側から
仙水の入った瓶を取り出した。
その時アナンタはニタリと笑い、衝撃的な事実を暴露した。
「心配ないよ!彼女のお腹の中にいる
僕の息子が状態異常を治してくれるさ!」
「なんだって!」
「鋼牙!どうやらあいつの言う事はハッタリではない様だ!」
そしてザルバは鋼牙に確かにジルの
お腹に新しい生命が宿っている事を告げた。
しかも紛れもなく父親はアナンタだった。
「そう、昨日の夜に君がいない間にこっそりお邪魔させて貰ったのさ!」
「何故?そんな真似をした!」
鋼牙の厳しい質問に対し、アナンタは悪びれた様子もなくこう答えた。
「我々!魔獣ホラーは僕も含めて!
いずれ魔戒騎士や魔戒法師によって陰我を断ち切られ!
また封印され!また真魔界に強制送還される!僕は!
この現世(こちら側のバイオの世界)に何かを残さなければならない!
という訳ではないけれどね!少なくとも!ただジョンの命令に従って
真魔界竜として魔獣ホラー達の
転生の役割をこなすだけじゃ!物足りなかったのさ!」
間もなくしてアナンタの言う通り、毒と魅了の状態だった
ジルは全身が急に青く発光した後、
毒は完全に浄化され、魅了の効果も消えた。
そしてジルは正気を取り戻した。
「あっ!あれっ?あたし?今まで何をして……」
ジルの顔も紫色から正常な肌の色に戻り、
青い瞳もうつろでは無く正常に戻っていた。
「ほらね!僕の言う通りだっただろ?」
アナンタは口元を歪ませ、ニタリと笑った。
鋼牙はジルに歩み寄った。
「ジル!実は……君のお腹に……」
鋼牙はジルにアナンタの子供を
身籠っている事を告げるとショックを受けた。
「そっ!そんな!じゃ!……夜に感じたあの……」
ジルは小さく呟きながら昨日の出来事を思い出した。
昨日の夜、自分の内なる魔界の混沌の部屋で
ルシファーと話した後、ジルの意識は現世に戻っていた。
しかし何故かジルの意識は元の肉体に戻らずまるで幽体離脱をしたかの
ように天井に張りつき、自分の肉体が眠っているベッドを見降ろした。
自分の肉体はぐっすりとベッドの上で眠っていた。
その傍らには恐らく窓から侵入したと
思われるオレンジ色の大きな蛇がいた。
しかも自分の肉体はいつの間にか白いシーツも
下着も剥ぎ取られ全裸になっていた。
ジルの意識は思わず息を飲んだ。
やがてオレンジ色の大きな蛇はスルスルと
ジルのベッドの上へ昇って行った。
オレンジ色の大きな蛇はジルの肉体の上に
圧し掛かった後、太い両腕を伸ばした。
そして太い両腕の5本の指のある両手を開いた。
続けてジルの白い肌に覆われた柔らかく
丸い大きな両乳房をムギュムギュと掴んだ。
同時にジルは目を瞑ったまま額にしわを寄せて
「あっ!はっ!」と小さく喘いだ。
オレンジ色の大きな蛇は自らの腰に当たる
太い胴体の部分をゆっくりと前後に大きく振り続けた。
更にオレンジ色の大きな蛇は大きく口を開けた。
そして二又に分れた真っ赤な舌をジルの口の中に入れた。
「ううん!ううっ!うううううっ!うっ!うっ!」
オレンジ色の大きな蛇はジルのピンク色の唇にディープキスを交わし、
口を開けたままシャー!と喘ぐように声を上げた。
更に自らの腰に当たる太い胴体を更に速く前後に振り続けた。
「ああっ!ああっ!ああっ!はああっ!ああん!はっ!ああうっ!はっ!」
ジルの肉体は両頬と深い胸の谷間を紅潮させ、口を開け、喘ぎ続けた。
オレンジ色の大きな蛇は更に両手でジルの白い肌に覆われた
柔らかく丸い両乳房をムニュムニュと揉み続けた。
オレンジ色の大きな蛇は三角形の大きな口でジルの白い肌に覆われた
柔らかく丸い両乳房のピンク色の乳首に優しく口付けした。
やがてオレンジ色の大きな蛇はジルのピンク色の乳首を
激しく貪り尽くすかのようにチューチューチューと吸い続けた。
「あっ!あうううっ!あっ!ひいん!
んっ!ああっ!ああっ!はあん!あっ!」
ジルは眠りの中、口を大きく開け、甲高い声で喘ぎ続けた。
間も無くしてジルは眠ったまま性的興奮が絶頂に達した。
「はああっ!はああっ!はああはっ!はあああっ!はあ!
はっ!はあああっ!はあああああああああああんっ!」
ジルは最後に甲高い声で長々と喘ぎ続けた。
同時に全身を激しく前後にビクンビクンと痙攣させた。
「どうだい!思い出してくれたかい?気持ち良かっただろ?」
急にアナンタが語りかけて来たのでジルは我に返った。
 
(第37章に続く)