(第32章)女心が分からない男達

これで今日の変更は終わりです。
また明日も時間があれば載せます。

(第32章)女心が分からない男達

祭の帰り、美雪と覇王は公園を歩いていた。
その途中、尾崎を見かけた美雪は無視しようとしたが、
覇王の言葉を思い出し、尾崎に声をかけた。
しかし尾崎はそれを無視して歩き去った。
覇王は
「まだ意地を張っているな!」
と言った。
覇王は突然美雪の腕を掴み引いて抱き寄せ銃を取り出した。
そして周りを見渡した。
美雪は
「どうしたの?」
覇王は
「今!気配がした!10人!」
美雪は
「えっ?誰もいないわよ!」
と周りを見渡しながら言った。
2人はしばらくじっとしていたが、覇王は自宅まで美雪を送る事にした。
その時にも覇王は周りを警戒していたが何も起こらなかった。
美雪の手を無理やり引いているので美雪は
「ちょっと待ってよ!」
と言うが覇王は無言で美雪を引っ張っていった。
しかしベンチの所まで連れていくと歩くのを止めて美雪の手を離した。
美雪は
「イタタ……」
と握られた手をさすった。
覇王は
「大事な話があるから聞いてくれ!!」
美雪は
「何よ!いきなり!」
と言った。
覇王は
「お前を守るためだ!」
美雪は
「ふざけないでよ!」
覇王は
「試してみるか?」
と言うと銃を取り出し、近くの茂みに向かって発砲した。
すると茂みから悲鳴とガサガサと言う音が聞こえて、
数人の影が逃げ出すのが見えた。
美雪は
「誰よ?あれ?」
覇王が
「だいぶ前から俺とお前を付けていたバイオメジャーだ!何の目的かは知らない
が恐らく俺達を誘拐して抗核バクテリアゴジラ細胞を奪う気らしい……」
美雪は
「根拠はあるの?」
覇王は
「根拠はないが……確信がある!」
と答えた。
美雪は呆れたように首を振ると歩き去ろうとした。
覇王は
「待てよ!今!見ただろ!」
と手を掴んだ瞬間、尾崎と同様に右の頬に強い痛みが走った。
覇王は信じられない顔で美雪の顔を見た。
美雪は
「あなたなんて……尾崎君と同じであたしの気持ち何て何も考えていないじゃない……
よくもあんな人前で恥ずかしい事をベラベラと普通にしゃべったわね!
ついでにあなたと結婚する気なんてないから!」
覇王は
「何だと?俺はちゃんとお前の気持ちを考えたつもりだ!」
美雪は
「嘘よ……女心も分からないくせに!少しはあたしの気持ちを考えてよ!」
すると覇王は
「女心って何だ??分からないな!この意地っ張りめ!」
と言うと、八当たりで歩道のコンクリートを蹴飛ばした。
そして覇王は「クソ!」と言って走り去った。
美雪も泣きながらクルッと振り向いて走り去った。

覇王は美雪と喧嘩して別れて自分の寮に帰ると、泣きながら叫び、
八当たりにサンドバックに激しいパンチを繰り返し、サンドバックが壊れるまで殴り続けた。
それから覇王は
「クソ!」
と言うとベッドに横になった。
偶然開いた「ファウスト」のページには
「己の胸には二つの衝動が棲んでいて、互いに離れ離れになろうとしている」
とあった。
地球防衛軍本部に再びCCIや国連、Gフォース、Gグラスパーが集まっていた。
今度はレスキュー隊や医学関係者も集まっていた。
国連事務総長の醍醐直太郎は重々しく口を開いた。
「北海道紋別のある森林の周辺で、土地が急激に痩せて木々が次々と枯れている。
周辺に住んでいる動物や人も変死を遂げている」
さらに続けて
「原因は全く不明!とうとう犠牲者は数百人に上った。」
医師の祥郷は
「一体何が?まさか未知のウィルスか?」
と考えながら言った。
CCIの野中は
「一体何が起こっているんだ?」
と言った。祥郷は
「検死の結果、全ての遺体の死因は衰弱死と判断されました。」
尾崎は
「未知の病原菌の可能性は?」
祥郷は
「分かりません……」
と返した。ところで行方不明になったミニラは、親のゴジラと同じ様に、初代ゴ
ジラと芹澤大助博士が亡くなった海底に長い間、立ち続けていた。
頭上を見上げると静かにマリンスノーが降り注いでいた。
一体ミニラは死んだ初代ゴジラに何を思ったのだろう?
それもみなさんはあれこれ想像してみるといいだろう……。

(第33章に続く)

では次回も期待♪♪