(第34章)不死鳥の如く!

こんばんわ職場から帰ってきた畑内です。
ゴジラの自作小説を載せます。

(第34章)不死鳥の如く!

尾崎は「もしもし」と電話に出た。
声の主は美雪の姉の音無杏奈だった。
杏奈は、妹の美雪が仮設研究所にも自宅も帰っていないと神宮寺博士から連絡が
来ていると聞いた、さらに、自分の家の近くで誘拐事件があったらしく、
誰が誘拐されたのか名前が出ていなかったので心配しているという事だった。
尾崎はあわてている彼女を落ち着かせるために
「大丈夫!何か分かったら連絡する!」
と言うと電話を切った。
会議室では波川指令が
「仮設研究所の音無美雪さんが何者かに誘拐されました!
さらに覇王圭介少佐が厳重な警備にもかかわらず独房から失踪しました。」
尾崎は
「なんだって!」
と大声を上げた。会議室の電話が鳴った。
波川司令は緊張して電話を取り、
「もしもし」
と言った。電話の主は
「研究員は預かった!返して欲しければ」
と言い掛けた時、電話の向こうで派手な銃声が聞こた。
そして男の声が聞こえた
「その研究員を返して貰おうか?」
その声の主は覇王だった。そして悲鳴や銃声が聞こえた直後電話が切れた。
関係者は騒然となった。
アヤノはその電話から逆探知機をして現場を特定した。
波川司令は
「すぐに!M機関!現場に急行し!2人の救出を最優先せよ」
東京やタワーの近くにある廃ビルで覇王とバイオメジャーの激しい戦いは続いていた。
覇王はバイオメジャーに向かって踵落としを食らわせ蹴り飛ばした直後、
後ろから鈍器の様な物で殴られ、失神した。
覇王を殴った男は周りの男達に手招きすると、気絶した覇王を抱え上げ、近くの部屋に運んだ。
そしてカプセルの様な容器に彼を入れた。
隣には別のカプセルがあった。
その中には女性が入っていた。
女性の腕には点滴がしてあり、何か薬を投与されていた。
一人の男が覇王の腕に点滴をした。
別の男はその女性の体の変化を詳細に書かれたカルテを取り出して、
それを読みながら部屋の外へ出て行った。
CCIの本部で野中は無線でロリシカ共和国軍の関係者に
「4時間経過した!全てのインファント島の住民の強制退去も完了した!」
と伝え、野中は「フルメタルミサイル発射!」
と号令をかけ、CCIのミサイル基地からは数十発のフルメタルミサイルが放たれた。
しかしミサイルはたちまち跳ね返されてしまった。
怒ったモスラはそのまま真鶴へ向かった。
美雪と覇王が監禁されている現場へ向かう途中の装甲車の中でアヤノは地球防衛
軍本部から通信を受けた。
モスラ!真鶴へ!さらにゴジラも真鶴に上陸します!」
またニュースでも
ゴジラが真鶴に上陸します!付近の住民は落ち着いて避難して下さい!」
と流れた。スーパーX0は陸上自衛隊
地球防衛軍が開発した対ゴジラ兵器であり、遠隔操作でコントロールされる。
武器はロリシカ共和国の遺伝子工学の研究所のチームが
モスラゴジラ抹殺の為に長い期間をかけて開発した「抗特殊能力剤」である。
これはかつて遺伝子工学の世界的権威の白神源壱郎博士が開発した
抗核エネルギーバクテリアのわずかなデータを元に核を食べるG細胞に、
バクテリアでは無くウィルスのDNAを組み込み、
遺伝子操作で様々な怪獣のDNAを組み込んだものである。
そしてそのウィルスは怪獣達の突然変異を抑え込み、火炎や光線等を発生させる物質や器官を
急速に破壊して特殊能力を退化させる。
やがて末梢神経が破壊され、
さらに症状が進むと中枢神経まで破壊されて全身麻痺状態になり、死亡する。
ウィルスを使った恐ろしい生物兵器である。
機体前部にゴジラ用に2発モスラ用に3発装備している。
狙いはゴジラの腰部にある第2の脳で、これは下半身の動きを司る役割を果たしているため、
そこにこの生物兵器を打ち込む事によってゴジラの放射熱線や
運動能力を無力化させて抹殺させようと言うのである。
またモスラも昆虫に良く見られる神経節のある部分が狙いである。
恐らく殺虫剤の様な役割を果たすかも知れないとロリシカ共和国の研究者の間では期待が高まっている。

東京タワーの近くにある廃ビルで、カプセルの中に眠っていた女性が目を覚ました。
周りを見るともう一つのカプセル以外誰もいなかったが、ふと点滴の袋が目に入った。
その中には青い薬が入っていた。
女性の体に異変が起こった。
彼女は全身から汗が噴き出し、続いて体の中から焼けつくように熱くなるのを感じた。
さらに軽い吐き気に襲われた。
軽い吐き気と全身の汗はすぐに止まったが、
焼けつく様な熱さがしばらく続いていた。
彼女は全ての症状が治まると荒い息を吐き、額の汗を片手で拭った。
とにかく暑いので外に出ようとしたが厳重にロックされていて出られなかった。

スーパーX0は早速、真鶴を進撃するゴジラに対して「抗特殊能力剤」を第2の脳に打ち込んだ。
「抗特殊能力剤」がゴジラの皮膚に突き刺さると、
弾頭ドリルが高速回転し皮膚の中に潜り込み第2の脳の所で破裂した。
ゴジラは悲鳴を上げ倒れた。
それでもゴジラは立ち上がろうとしたが中枢神経をやられたらしく苦しみ出した。
さらに末梢神経も麻痺し始めた。ゴジラは呼吸も苦しそうだった。
ついにゴジラは倒れて息絶えた。
陸上自衛隊とCCIさらに真鶴の避難所では抹殺派の人々の歓声や拍手が聞こえた。
地球防衛軍本部でもそれは伝わり拍手や歓声が上がった。
覇王と美雪の救助に向かう装甲車でゴードン大佐は
「そんな……嘘だろ!ありえないぞ!」
と困惑して言った。
尾崎は
「いや……生きている!」
ゴードン大佐は
「本当か?」
尾崎は
「感じるんだ……これもカイザーの能力か?理由は分からないが……
かすかだが心臓の音が聞こえる。かなり弱いが少しづつ……」
するとニックが画面を見て
「本当だ!尾崎の言う通りだ!」
グレンは
「確か末梢神経と中枢神経を破壊されたんだぞ!うっそ!信じられない!」
とニックと同様に画面を見た途端、驚いて言った。

(第35章に続く)