(第49章)父への想い(前編)

こんばんわ畑内です。
明日変更しようかと思いましたが……
ゴジラの自作小説シーズンⅠもシーズンⅡも
あともうすぐで終わるので最後まで変更して置きます。

(第49章)父への想い(前編)

トオル
「まさに変な生き物ですね!」
と笑いながら言った。凛もつられて笑いながら
「これが怪獣のテレパシーの正体ですね!」
トオル
「この原生物達を通して怪獣達は互いに交信し合っている!電話線の様なものですね!」
凛は
「受話器は?」
トオル
「勾玉とか?お守りとか?」
周りの部下達は2人が何の話をしているのか全く分からなかった。
もちろん普通の人間にはほとんどの場合見えないのである。
トオルが立ち上がり
「そろそろ失礼します!」
と言うと部下を連れて車に乗って走り去った。
その後、母親の美雪がコーラを持って来た。
美雪は
「誰と話してたの?」
凛は
トオルさんと!」
美雪は驚いた様子で
「またあの男!いつまで付きまとうつもりなの!」
憤慨した様子で言った。
凛は
「悪い人には見えないけど……」
美雪は
「気を付けなさい!いくら優しい顔をしても心の中は狼なんだから!」
真顔で言ったので、凛は
「あたしの心の中はギドラだけどね……」
美雪はさすがに噴き出しながら
「狼より恐ろしいかも……」
凛は
「勝ち目無いわね!」
と笑いながら言った。
美雪は
「あのね~そういう話じゃなくて!……」
しばらくして凛は
「パパの事をもっと教えて!!」と質問した。
母親は不意を突かれたように驚いていたが、やがて口を開いた。
「パパとね!!毎日会うたびに喧嘩ばかりして大変だったのよ・・・」
その少女は「初めて会ったのはいつ?」
母親は「そうね…その日はちょうど6月の梅雨でかなりじめじめして蒸し暑くてね・・・
国連のパーティの帰りにヤクザ達にナンパされてね・・・ひどい目に遭いそうに
なったところを助けられた・・というより目の前の敵をなぎ倒した感じだったっけ?」
と懐かしそうに思い出を語り始めた。
と自分の過去を振り返りながら娘に話して聞かせた。
しばらくして凛は
「何かカッコイイ事言ったの?」と楽しそうに聞いた。
母親は「何も言わなかった・・・というより・・あたしの存在さえみてくれなかった・・」
その少女は憤慨して「酷いわね!!」と言った。
母親は「しかも翌朝会った時はコロッと忘れてさ…
『お前を助けた覚えがない!!』と言われてさ…」とため息をつきながらコーラのふたを開けた。
凛は美雪から父の話を聞いて
「ふーん……じゃどこに惹かれたの?」
と聞いた。美雪は
「自分でもよく分からないの……無意識のうちに彼に惹かれて
いたから……何と言うか、彼には女性を引き込む力があった様に思えるわ!」
夕陽が傾き暗くなりかけた品川の公園で美雪と凛はブランコに
乗りながら自分の父親について話していた。
美雪に話を聞いていた凛は
「そう……それってギドラの力とか?」
美雪はコーラを飲みながら
「そうかも知れない……」
凛は何かに思い当った様子で
「だから……オタク達が……」
美雪は
「それでしばらくして聞いた話だけど!『女性達は相変わらず
寄って来て!恐れているのはヤクザだけさ!』って言ってたわね!」
と笑いながら言った。
凛は
「私にそっくり……だとしたら本人はあまり気にして無かったでしょ?」
美雪は頷きながら
「うん!そうだった!」I
と思い出した様子で言った。
凛は
「それじゃ……ギドラ族やゴジラって結局なんなんだろう?
あたし達親子にとって?」
と聞いた。美雪は考え込んだ。
凛は
「やっぱり!人類や文明の敵なのかな?」
美雪は
「よく分から無い……あたしにも」
すると凛は
「今!ぼんやりと思い出したんだけど!もしかしたらゴジラ
とって人類は『敵』でもなければ『味方』でも無いのかも知れ
ない。けれど何で町を壊すのか、それはあたしにも分からない……どうしてなんだろう?」
しばらく親子は考え込んでいたが答えが出なかったので凛は無
理に明るく
「それでパパはどうしてママを好きになったの?」
と再び質問した。

(終章に続く)