(第10章)命を賭けたTV取材!!

おはようございます。畑内です。
出勤前に昔のゴジラの小説を載せます。

(第10章)命を賭けたTV取材!!

戦闘機のドックファイターに乗った覇王圭介は両翼の機銃から
エネルギー弾をゴジラの胸に向かって放った。
ゴジラは怒って放射熱線で反撃した。危うい所でかわすと、覇王は今度はゴジラ
の両目を狙って引き金を引いた。
エネルギー弾はゴジラの右目に直撃した。
尾崎は
「すごい……」
とつぶやいた。
ゴジラは立ち上がりドックファイターを睨みつけた。
突然尾崎と覇王をあの殺気が襲った。
覇王は
「まただ!!あのインファント島で感じたあの殺気だ!!」
と叫んだ。
尾崎も
「これで3度目だ!!」
と言った。
尾崎は恐怖のあまり体が言う事をきかなくなり、冷や汗が
どっと噴き出た。
その隙をついてゴジラが放射熱線を放ち、それが轟天号の機体のドリルに直撃し
た。轟天号内で激しいショートがあちこちで起こった。
ゴードン大佐は
「何している!!」と怒鳴った。
アヤノは
轟天号!!さらに出力20%ダウン!!」
ゴードン大佐は
「撤退だ!!直ちに戻れ!!覇王!!」
と命令したが遅かった。
ドックファイターはゴジラの放射熱線を巧みにかわしていたが、とうとう右翼に
当たり、黒い煙を吐きながら真鶴の梅へと高度が落ち始めた。尾崎は
「覇王!!」
と叫んだ。ついにドックファイターは墜落し大爆発が起こった。尾崎は無言で、
沈んでいくドックファイターの残骸を見ていた。
突然宇宙レーダがー「ビーッ」と音を立てた。
その時、地球防衛軍の臨時オペレーションルームではジェレルが
「真鶴上空に巨大生物出現!!」
アヤノが
イラクで確認されたのと同じ個体と思われます!!」
ジェレルが
「地上へ降下していきます!!」
巨大生物は降下していく内に身体の発光が少しづつ消えていき、それにつられて
形がはっきりしてきた。
巨大な3つ首と400mの巨大な翼、深紅の目がギラギラ輝き、両腕が発達して
強靭な腕になっている。150mの身体はスマートで両肩と両膝と両腕から3本
の突起が長くきれいに重なるように生えていた。
また首の付け根から頬にかけて深紅のフサフサした毛が生えていた。
その怪獣は地面に着地して吠えた。
ゴジラも吠え返した。

ジェレルの分析により驚くべき事が分かった。
キングギドラです!!」
ゴジラが上陸した真鶴の街から人々は、
地球防衛軍の関係者や自衛隊、地元の警察に誘導されて近くの山の上に避難していた。
そこで一人のTV局のレポーターの女性が大声で
「早くカメラを回して!!」
と隣でカメラの三脚を立てた男性に指示した。
その男性は、瓦礫になって黒い煙と炎に包まれた真鶴の街を映し出した。
続いてカメラを左に向け、ゴジラの背びれが青白く光る様子をアップで映し出した。
真鶴の街の中ではゴジラキングギドラに向かって放射熱線を放った。
しかしまるで見えない壁があるかの様に、放射熱線はゴジラに向かってはじき返された。
それはゴジラを直撃して大爆発を起こし、ゴジラは倒れた。
真鶴の街から避難していたTVレポーターは、突然発生した青白いフラッシュと
轟音のような爆音に、目が眩み、両耳を押さえてうずくまりつつも再び立ち上がり
「見てください!!ゴジラの放射熱線が……信じられません!!はじき返しました。」
と必死にマイクを持って真鶴の街の怪獣災害の様子のレポートを続けていた。
キングギドラはジャンプしてゴジラに馬乗りになると、首を掴んで締め上げたが
ゴジラは立ち上がり逆にキングギドラをビルに押し倒した。キングギドラはゴ
ジラの腹を力の限り蹴り飛ばした。ゴジラは吹き飛んで地面に叩きつけられた。
続いてキングギドラが右の尾をゴジラの両腕に巻きつけ、それをたぐりよせよう
としたが、ゴジラはすかさず放射熱線で反撃した。
そのゴジラが放った放射熱線をキングギドラは3つ首とも器用に後ろに折り曲げ
てかわしたが、その隙にゴジラキングギドラの尾を逆に手繰り寄せ、近づける
と頭突きをおみまいした。さらに中央の首の根っこに噛み付いた。
キングギドラは悲鳴を上げながら左右のビルにゴジラを叩きつけた。そしてゴジ
ラを持ち上げると勢い良く振りほどいた。
ゴジラはコマのように一回転して地面にたたきつけられたが、すぐに立ち上がった。
キングギドラは尾を上へ上げると素早く後ろを振り向き、
飛び上がった。ゴジラは後を追うように走り出そうとした。
ところが突然キングギドラは身体ごと振り向いて、
400mの巨大な翼でゴジラ張り飛ばした。
このだまし討ちに驚いたゴジラは吹き飛ばされ、
次々とビルをドミノの様に貫いていった。
そしてTVの取材班からは「おーおっ!」と歓声が上がった。
キングギドラゴジラを挑発するように吠えた。
TVカメラマンは数人がかりで三脚のカメラを支えながらその様子を撮り続けた。
TVレポーターも必死に真鶴の街の災害の様子を全国に伝え続けた。

インファント島では抗議していた先住民達が悲鳴を上げパニックになった。
なぜなら数百発のフルメタルミサイルの砲台が島に向けられたからである。
しかしロリシカ共和国の戦艦隊が何らかのトラブルで到着が遅れていた。
それに苛立った野中は
「クソ!!何しているんだ!ロリシカ共和国の軍隊は??」
と椅子を蹴っ飛ばした。
すると頭の中で声がした。声の主は小美人だった。
「これが最初の警告です!お願いですから!モスラに攻撃を加えないでください!
もし行えばモスラはあなた方の敵になります!私達はそれを望んではいません!」
しかし野中は「どうせ…空耳だろう……」と思い
それには全く聞く耳を持たず、ロリシカ共和国の軍艦隊の到着を待っていた。
とうとうロリシカ共和国の軍艦隊は現れず『インファント島攻撃作戦』
はロリシカ共和国の不在でしばらく延期された。
その理由は「何者かに妨害電を流された!」とロリシカ国の一部の
軍関係者が証言したが詳細は不明である。

真鶴で近くの山に避難していたTVレポーターは
「今ゴジラキングギドラの右の頭をつかみました!!」
ゴジラキングギドラの頭を掴むと頭突きをお見舞いした。
キングギドラゴジラの腹にひじ打ちを食らわせ、足を上げて踵落としをして、
ゴジラを地面に叩きつけた。
TVレポーターは
「まさか!!皆さんゴジラキングギドラの踵落としで倒されました。信じられ
ません!!今まで東京に出現した怪獣達とはケタが違います!!」
TVカメラマンも
「なんなんだ?あのキングギドラ!!格闘技か?」
と驚きを隠せなかった。       
キングギドラは再び尾の伸ばし攻撃を仕掛けた。
ゴジラは尾に両手を縛られ、キングギドラは3つ首で
ゴジラの首筋と両肩に噛み付いた。
ゴジラは悲鳴を上げた。その様子を撮影していたカメラマンは
「あっ!!青白くまた背びれが!!」
ゴジラを指さしながら言った。
TVレポーターはTVカメラマンが指さした方向を見ながら
「ご覧ください!!またゴジラの背びれが青白く発光しました!!」
と大声で言った。
ゴジラは放射熱線を放とうとしていた。
突然キングギドラは足を上げてゴジラの腹を蹴り付け、グッとゴジラが倒れ込む
と、素早く尾をほどいて発車直前の放射熱線を、見えない壁らしき物で跳ね返した。
ゴジラの放射熱線は自分の顔に当たりゴジラは後ろに倒れた。
キングギドラゴジラの尾を掴むと翼を広げて飛び上がり
500m程の上空からゴジラを落とした。
ゴジラが落下してビルを崩して、叩きつけられた衝撃で、
数人のTVカメラマンは身体を丸めて地面に倒れてしまった。
その為、三脚のカメラも吹き飛び倒れてしまった。
倒れていたTVレポーターはあわてて三脚のカメラを立て直そうと倒れたカメラ
の方に走って行き、数人のカメラマンも手伝い、ようやく立て直した。
TVレポーターは
「あっ!!キングギドラが黄金に輝いています!!」
と言ったが、再び激しい爆音と衝撃で、両耳を押さえ、倒れた。TVレポーター
が立ち上がってみると、ゴジラが爆発の衝撃でそのまま宙へ高々と吹き飛ばされ,
視界から消えていた。
TVレポーターは
「あれ?」
と言った。そして再び轟音のような音と落下したと思われる激しい衝撃がして、
地面に打ちのめされた。
1人のTVカメラマンは三脚からテレビカメラを外して必死に現場を撮影しょう
とし、やがて森の中に黒い煙を上げて木々に埋められ、
動かなくなったゴジラを見つけた。
TVカメラマンはその様子をズームアップした。
一方地球防衛軍の臨時オペレーター室ではジェレルが
ゴジラ行動停止!!」
と報告した。
キングギドラは満足そうな笑みを浮かべて止めを刺そうとしたが、突然倒れた木
々が吹き飛びゴジラの放射熱線がさく裂した。
キングギドラも黄金色の光線を放った。
黄金色の光線と青白い放射熱線が激しくぶつかり爆発した。
数人のTVカメラマンとTVレポーター
は爆発の激しいフラッシュで眼が眩み、
地面に激しく叩きつけられ、気を失った。
そして近くに止まっていたTV局の車のガラスは激しい空気の振動で次々と音を
立てて割れた。

(第11章に続く)

職場から帰ったらまた載せます。