(第43章)東京ボルケーノ

こんばんわ一週間ぶりの畑内です。
札幌の病院の検査を終え、結果はまだ分かりません
久しぶりにゴジラの自作小説を変更します。

(第43章)東京ボルケーノ

東京のミサイル基地で突然大地震が発生した。
その場に居合わせた野中元はアスファルトの地面にしがみつきながら、
「何だ!何が起こっているんだ!!」
と言った。
やがて大地震は収まった。そして周りの職員達が立ち上がりかけた時、
「バーン!バーン!バーン!」とリズミカルに大きな音が聞こえたかと思うと、
近くの道路にあったマンホールがまるでコルクの様に宙に跳ね上がり、
「バゴン!!ガシャーン!」
と音を立てて、車や戦車の窓ガラスに向かって次々と落下して行った。
野中は絶句した。
吹き飛んだマンホールの穴から高温の真っ白の蒸気が
「シューシュー!」と噴き出していた。
野中は
「一体何が始まるんだ?」
と言葉が言い終わらない内に今度は「ベリ!ベリベリ!」
と音を立ててアスファルトの地面が裂け始めた。野中はあわてて
その裂け目から逃げ出す為に立ち上がろうとしたが、あまりの恐怖で足がすくんで動けなかった。
荒い息を吐きながらその場でじっとしていたが、「ゴ……ゴ……ゴ……」と
地の底から不気味な音と共に小さな揺れが起こった。
野中は
「何が……助けてくれ!誰か!!」
と必死に助けを求めた。しかし誰からも返事は無かった。
野中は
「誰か!!助けてくれええぇぇっ!!」
最後の絶叫は「ドカアァァーン!」という轟音の様な音にかき消された。
アスファルトの地面が大きく裂けて、
まるで火山が噴火したかの様に巨大な入道雲に似た黒煙が勢い良く噴き出し、
空からは高温のドロドロに溶けた岩が雨あられと降って来た。
その高温の岩はミサイル基地の発射台に落下し、
爆発と共に次々と破壊されて行った。
また吹き上げられ、空に舞い上がった大量の灰は太陽の光を遮り、
雪の様にミサイル基地周辺に降り積もった。

ミ二ラは何度もケーニッヒの攻撃を受け、地面に叩きつけられて
フラフラになりながらも決してその場を動かなかった。
ケーニッヒには何度も立ちあがるミニラの姿を見てますます動揺と怒りと混乱が生まれた。
ミニラは初めて死闘と言うものを体験していた。
どう考えてもミ二ラの方が圧倒的に不利だった。
しかしミニラは何度も吹き飛ばされ、殴られようが、蹴られようが構うこと無く立ち上がった。
ケーニッヒは
「何故?」
ミニラは
「友達」
と答えた。
ケーニッヒは動揺した様に
「友……力こそが正義だ!人間達だって
自らの競争の為に理性や感情を使っているでは無いか!」
しかしミニラは
「それは違う……正義じゃない!」
ケーニッヒがミニラの首を絞めつけながら
「お前に何ができるのだ!」
ミニラは苦しそうにもがきながら、ケーニッヒの腕に噛み付いた。
ケーニッヒは痛みでミニラの首を離すと思いきり、ミニラの腹を蹴り飛ばした。
しかしビルに向かって吹き飛ばされて倒れても、ミニラは立ち上がった。
しばらくミニラとケーニッヒは互いに睨み合った。

東京上空に差し掛かった新轟天号内でジェレルが
「東京のミサイル基地で謎の大地震と爆発を確認!」
アヤノが
「映像を出します!」
と言うとスイッチを指ではじいた。映像では、火山灰が雪のように降り注ぎ、
ミサイル基地のど真ん中で黒い煙が天空へまるで竜の様に昇っていた。
ドロドロした高温の岩が容赦無くミサイルの発射台や
建物や木々に向かって落下し、木々にはメラメラと火の手が上がった。
建物やミサイルの発射台が次々と大爆発を起こしながら
破壊されていく様子が大きな画面に映されていた。
さらに火山口の様な穴から、黒い噴煙や高温の岩と共にオレンジと真っ赤に輝く
ドロドロとした液体が流れ、それはまるで生き物の様に建物や
ミサイルの発射台を始め、戦車や車を飲み込み、物凄い力で押し流した。
再び地震が起こり、噴き出した黒い煙が一層大きくなったかと思うと、
今度はその噴煙が一気に崩れ落ち、津波の様に地面を一直線に走り始めた。
アヤノが
火砕流です!時速100kmのスピードで4体の怪獣達が戦っている場所に向かって移動中!」
ジェレルは
「このままじゃ!東京の街は!」
火砕流は猛スピードで行く手にあるもの全てを綺麗に押し流し、激しい轟音と地
響きを立てながら3体の戦っている方向へ一気に流れて行った。
その間、火口から大量に噴き出ていたマグマは地面をゆっくりと
確実に川の様に移動を続け、やがて地下鉄の駅に入り込んだ。
アヤノは
「信じられません……マグマは川の様に地下鉄の駅に
向かって一直線に流れて行きました……本当に意志を持っているの?」
と驚いた様に言った。ジェレルは
火砕流はあと30分で4体の怪獣の所に到達します!」
ゴードン大佐は
「何とか被害を食い止めなければ……」
尾崎は
「そんな……無茶です!どうやって??」
と言った。室井少佐も
「どうしたら……」
と頭を抱え込んだ。
ジェレルがついに
火砕流は怪獣まであと100mです!」
と報告した。ゴードン大佐は
「マグマは?」
アヤノが
「マグマは地下鉄のトンネルを通って怪獣の方に一直線に向かっています!」
と返した。

(第44章に続く)