(第5章)それから9か月後。

(第5章)それから9ヶ月後。

剣士とトオル内閣官房長官と副長官をそれぞれ辞職した。
音無美雪は、真鶴の病院で体力が回復した2005年1月18日に無事女の子を出産した。
名前は美雪により
「どんなに辛い事があっても常に凛として前を進んでほしい」
ということから名前は「凛」と名付けられた。
そして日テレ東のアナウンサーであり、
ジャーナリストの音無杏奈は今度の美雪の事件について
徹底的に内閣の責任を追及した。
それは雑誌や新聞、テレビで話題になった。
ちなみにゴードン大佐はGグラスパーの桐子と付き合っていたのだが、この事件を
きっかけに喧嘩別れをした杏奈とも関係が深まった。その為、ゴードン大佐は常
に2人の女性との駆け引きに悩まされる様になった。
尾崎も杏奈を追って、たびたびゴードン大佐と
恋愛の事で互いに衝突する様になった。
その様子を見たグレンは
「やれやれ……また嵐の予感が……」
とつぶやくのだった。

美雪は地球防衛軍本部から護衛をゴードン大佐に紹介されて、
初めは少し用心していたが……助けてくれたゴードン大佐から
アメリカから来たテロ対策の捜査官だ!!」と説明を受けると、
安心して護衛をつける事を許可した。
その護衛は黒と茶が混ざったような短い髪をして、灰色のシャツを着ていた。
「対ゴジラ兵器神獣計画」はお蔵入りになり、すべての資料や書類は破棄された。
その事件がジャーナリストの音無杏奈により、報道され、CCIや政府は様々なメデ
ィアやテレビからバッシングを毎日受けるようになった。
他にも『インファント島のモスラ攻撃作戦』でどうしてモスラに攻撃をしたのか?
多くの人々にはニュースだけでは分かり辛く、
CCIや政府に納得のいく説明を要求していた。
そんな中、地球防衛軍の護衛の一人が自室で雑誌を放り投げ、ノートパソコンを
起動させた。メールを作成して、何やら英語で文章を書き始めた。
その文章は以下の通りである。
地球防衛軍国際連合最高機密報告書」
国際連合分子生物学者『音無美雪』26歳『母』」
「元地球防衛軍『覇王圭介少佐』20歳『父』」
「婚姻届け未提出」
「本人達はすでに内縁関係を了承済み」
「結婚式は挙げてない」
「後に地球防衛軍をやめて行方不明になる前に認知届けを提出」
「子供の名前は『音無凛』」
護衛はここまで書いて一息入れると、再びキーボードで文章を書き始めた。
「音無凛に関する監視報告書」
「小学校」
「特に破壊的で危険な能力は見られず、例の生物の能力を持つかどうか不明」
「以上」
そしてメールは国連や内閣に送信された。
中学生になった音無凛は、父である覇王の遺伝なのか髪は自然な金髪で、性格は
少々ひねくれているようだが、やさしい少女に育っていた。凛は父親の名前は知
っているが、自分と母親を置いて行方不明になったことに対してやり場の無い怒
りと恨みを感じていた。
凛は自分を不幸な人間だと思っていた。
そして凛は父親の行方を捜し続けていた。
凛はオカルトに大変興味があった。そこで、ある日、以前から相談していた怪し
げなカウンセラーに「スピリチュアルに父の行方の手掛かりを知りたい!!」
と言った。それを聞いたカウンセラーは「分かりました。前世の記憶をたどって
お父さんの手掛かりを見つけましょう」

―同じ頃、地球防衛軍では―。
「真鶴近海にゴジラ出現!!」
「現在真鶴近海約20km東へ!!」
「このゴジラは!!」
尾崎は「ミニラか?」
ジェレルは「違います。別固体です!!」
あやかが「このゴジラは…………生きていたの?」
尾崎は「何だ!!」
あやかが「1996年にデストロイアに殺されたはずのゴジラが成長した姿……」
ゴードン大佐は「するとあのゴジラジュニアか?」
ジェレルは「ジュニアらしき個体、真鶴の海に沈んでレーダから消失しました。
」さらに「オホーツク海で2匹のゴジラを確認!!真鶴の海へ!!ジュニアに引
き寄せられているものと思われます!!」
アヤノは「ミニラとゴジラ間違いありません!!」
ゴードン大佐は「同族を感じて会いに行こうとしているのか?」とつぶやいた。
ジェレルは「この前美雪さんが真鶴のCCIの研究所を脱出した時と断崖から身を投
げて沈んだ後に確認された時の高エネルギーの反応があった場所がこの辺だった」
オホーツク海の地図を指さした。
「と言う事は?まさか?」とニックが言った。
グレンが「ゴジラとミニラが美雪さんの命を助けた?」
ジェレルが「可能性としてはあるかも知れませんが……僕には分かりません……」
と困ったように答えた。

(第6章に続く)