(第35章)死の淵からの生還

おはようございます。
畑内です。
ゴジラの自作小説を載せます。

(第35章)死の淵からの生還

東京タワー近くの廃ビルで女性はカプセルの中から脱出しようともがいていた。
バイオメジャーらしき男が現れた。
すると女性はその男の顔を見て英語で
「この!人で無し!」
と怒鳴り散らし、拳でカプセルを内側から叩き割ろうとした。
しかしカプセルはビクともしなかった。
男が静かに英語で
「音無美雪さん!今までご苦労だったね!これでゴジラや新種のキングギドラ
ついてのデータも手に入れた。君のおかげでさらなるデータが得られそうだ!」
続けて男は
「隣の男の正体を君なら本能的に分かるはずだ!」
と言った。美雪は
「分からないわ!」と答えた。
男は
「まあいい……いずれ分かる事だ!俺はこの重要なデータを手に入れる為に
バイオメジャー達のアジトに潜り込んだ!
そして君を脅して利用した!あいつらはもうすでに用無しだ!
しかし君には隣の彼と私と一緒にある事をやってもらわねばならない!
そうすれば君の家族に一切手出しはしない!」
美雪は静かに
「何をすればいいの?」
男は隣のカプセルに眠っている男を指さしながら
「あの隣の覇王圭介の子供を産む事だ!」
美雪は
「ふざけないでよ!」
と怒鳴った。
男は
「こっちは真面目だ!これから2時間後サラジア共和国に一緒に来てもらう!
そして君は彼の子供を産む。ただそうすればいい!」
と言うと外に出て行った。

東京タワーの近くにある廃ビルに向かう地球防衛軍の装甲車でニックは
「一体どうして?」
と画面を見ながら言った。
画面にはゴジラの心臓が動き始める様子が映し出された。
倒れたゴジラの心臓の音が「トク!トク!」とかすかに聞こえた。
それが「トック!トック!トック!」となりついに
「トックン!……ドックン!ドックン!」
と大きくなった。呼吸も「ヒューヒュー」とわずかながら始まった。
スーッと呼吸が大きくなり目をゆっくりと開け、
ゴジラは鋭い爪で地面をえぐるように握ると膝をついて立ち上がった。
そして大きく深呼吸すると咆哮を上げた。
突然尾崎の耳に聞きなれない音が聞こえた。
「キュルル……ギュルーツ……キュルルル!」と電子音の様な音だった。
さらに「キーン」と強烈な耳鳴りのような音が聞こえ、思わず両手で両耳を塞いだ。
地球防衛軍のニックは心配そうに
「大丈夫か尾崎?」
と言った。どうやらニック達には聞こえないらしい。
さらに強烈な耳鳴りの後、「ギュギュウギュウギュ!」
とまたべつの不気味な音と共に今度はまたあの時の殺気を感じた。
そして全身金縛りになった。額から冷や汗をかきながら思わず周りを見渡した
ニックやグレン、ゴードン大佐を始め、M機関のミュータント兵や関係者以外誰もいなかった。
その様子を見たゴードン大佐はたまりかねて
「どうした?尾崎?」
と心配そうに聞いた。
しかし尾崎は
「また……殺気が……それに変な音がした!」
ゴードン大佐は
「変な音?俺には全く聞こえなかったぞ!」
と呆れたように言った。するとグレンは
「分かったぞ!ゴジラはウィルスによって中枢神経や末梢神経が麻痺して
呼吸不全になったので一時的に生命活動を停止してウィルスが全身に回わらない様にした。
それで素早くウィルスに対する抗体を作り出し、
再び体内が生存に適した環境に回復したので生命活動を再開したんだ!」
ニックは
「そうか!休眠か!」
と言った。
尾崎はさっきの異音や殺気について考え込んでいたが結局分からずじまいだった。
この殺気と異音の正体は何だろうか?

地球防衛軍の装甲車はバイオメジャー達のアジトである
東京タワーの近くの廃ビルに到着した。
その直後アヤノは無線で
ゴジラにより軍の50%壊滅です!」
そしてジェレルが
「新たな飛行物体!モスラです!」
と報告した。モスラは真鶴に上陸すると怒り狂った様子で
次々と無人の戦闘機や戦艦を撃墜した。
無人式のエクレールとランブリングがメ―サーで攻撃しても全く効果が無く、
次々と壊滅した。
ゴジラは再び不死鳥のごとく蘇るとモスラに向かって飛んで行く
スーパーX0に向かって放射熱線を吐き、左の翼を破壊した。
そしてスーパーX0はそのまま近くの山に墜落した。
CCI本部でその様子を画面で見た野中は
「そんな!馬鹿な!」
と大声を上げた。

(第36章に続く)