(第36章)銃撃戦の末……

こんばんわ職場帰りの畑内です。
ゴジラの自作小説を載せます。

(第36章)銃撃戦の末……

地球防衛軍のM機関はレーザー小銃を持って、
バイオメジャーがいる廃ビルの周りを取り囲んだ。
すると廃ビルのドアから、女性らしき人物の頭に銃を突き付け、
1人のバイオメジャーが現れた。
「我々はバイオメジャーだ!手を挙げろ!武器を捨てろ!」
と要求した。
続けて
「この女に傷を付けたくなければ我々に従え!」
すると別方向から何者かが発砲した。
弾丸は女性を人質にしていたバイオメジャーの一人の額に見事命中した。
そしてその男が倒れたのを合図に全ての人間が銃を取り出したちまち銃撃戦となった。
その女性はそのまま地面に伏せると弾丸を避けて前進しながら、
何者かに射殺されたバイオメジャーの腕から拳銃を掴んだ。
何者かが再び発砲した。
美雪は弾丸を避けるように地面に伏せながら、
近くの階段の裏に潜り込もうとした。
その時、誰かが彼女の腕を掴んだ。
美雪があわてて振り向くと金髪の男がいた。
「覇王君!無事だったのね……」
と安心した様に言った。
覇王は
「まだ!安心するのは早いぞ!
どうやらサラジア共和国のエージェントは俺達を狙っているらしい!このまま外の装甲車まで走るぞ!」
と言うと階段の裏から飛び出し、装甲車まで走り出した。
サラジアのエージェントは二人が
飛び出したのを確認すると2人に銃口を向けて発砲した。
それに気づいた尾崎はジャンプして二人を助けようとしたが、
周りにいた大勢のバイオメジャー達に邪魔されて助けるのが遅れた。
弾丸は覇王の頬をかすめた。
更にサラジアのエージェントはもう一度、引き金を引いた。
その弾丸は正確に美雪の腹部に命中した。
覇王と尾崎は同時に
「美雪!」
と大声を上げた。
尾崎は倒れた美雪の傍に駆け寄った。
サラジア共和国のエージェントに撃たれて倒れた美雪を覇王が抱きかかえた。

その時、彼の脳裏に体育館を泣きながら飛び出した
沙羅と言う名前の少女が思い浮かんだ。
また沙羅が言った事も思い出した。
(命はね……たった一つしかないんだよ……)
(失うと二度と帰って来ないんだよ……)
さらに自分が行ったことも思い出した。
(他の怪獣達の命を奪ってまで自分の安全と幸せを掴もうしている!)
(でも!その町を守るために怪獣を殺してしまったら?
別の怪獣も同じ気持ちになるのでは?)

覇王は「彼女はこのまま死んでしまうのでは?」
と激しい不安感に襲われた。
そして言った。
「間違えて心を傷つけた……悪かった!だから!結婚する気があろうが無かろうが!
俺には関係無い!ただ俺の傍に存在してくれればそれでいいから!
だから……お願いだ!死なないでくれ!」
美雪はたった一言小さく
「ゴメン……好きよ……」
とつぶやく様に言うと目をつぶってぐったりした。
覇王は
「美雪!美雪!死ぬな!死なないでくれ!」
と激しく美雪をゆすったが彼女は二度と体を動かさなかった。
覇王が見上げると、サラジア共和国のエージェントが何かのボタンを押して、
階段を降り始める様子が見えた。
覇王は美雪の身体を抱え、尾崎に彼女を預けると立ち上がって歩き出し、
階段を降り始めたサラジア共和国のエージェントに向かって凄まじい剣幕で
「何故だぁ?!何故!彼女を殺したぁぁっ?!」
と大声を上げ、ジャンプしてその目の前に降りるなり、殴りかかった。
覇王の怒りの右拳はエージェントの顔面にヒットした。
エージェントははじき飛ばされコンクリートの壁に叩きつけられたがすぐに
覇王の胸に銃口を突き付けると発砲し、反撃した。
その直後、激しい爆音が聞こえた。
ゴードン大佐が
「覇王!戻って来い!あいつは恐らく起爆装置を押した!
この建物はすぐに崩れるぞ!」
尾崎は
「馬鹿!戻って来い!」
と言った。

(第37章に続く)