牙狼Xバイオ2・闇に囁く者編

(第17章)襲撃

(第17章)襲撃 翌朝・ジェレミーグレイは昨日の夜、 自分が仕えていた素体ホラー芳賀真理が 自分の屋敷から逃亡した事実を地下室で知るや否や酷く腹を立てた。 それから昼頃になって彼は気晴らしにと近くの ホームセンターで買い物をする事にした。 今日…

(第16章)生物

(第16章)生物 鋼牙は銀色のフェンスから見える マンハッタンの摩天楼を茶色の瞳で真摯に見つめた。 「残念だったな。御月製薬の社長の 御月カオリはこちら側(バイオ)の世界の住人だった。」 「ああ、ザルバ!俺の妻の御月カオルは こちら側(バイオ)…

(第15章)転生

(第15章)転生 幽霊が出ると噂される廃墟の老人ホーム。 モイラ・バートンは老人の個室で目を覚ました。 そして自分が面白半分でこの廃墟となった 老人ホームに足を踏み入れた事を反省し、謝った。 だが突如、背後で気配を感じた。 続けていきなり背中を…

(第14章)霊魂

(第14章)霊魂 幽霊が出ると噂される廃墟になった老人ホーム。 ハロウィンの夜。テラセイブの仕事を終え、モイラとクレアは その廃墟となった老人ホームの玄関前でジルと鋼牙と待ち合わせをした。 ちなみに『ゴースト・エンカウンターズ』の取材よりも 早…

(第13章)正義

(第13章)正義 ジルの隠れ家。 「いいか?モイラ!クレア!魔獣ホラーはお前達が今まで相手して来た BOWやゾンビ達よりも遥かに凶暴で危険な奴らばかりだ!」 「だから俺様やジル、鋼牙の気持ちを代弁するなら。 『中途半端に魔獣ホラー討伐に絶対に関…

(第12章)合流(後編)

(第12章)合流(後編) ジルの隠れ家。 最初、鋼牙とジルは呆れた表情で クレアとテーブルの上に置かれた2枚の資料を見ていた。 しかし鋼牙とジルは2枚の資料の内容を読むと 驚きの表情に変わり、お互いの顔を見た。 「まさか?こんな事が??」 「一体…

(第11章)合流(前編)

(第11章)合流(前編) 自分の隠れ家のベッドの上ですやすやと眠っていたジルは パズズの闘いの後、隠れ家でモイラと話していた時と 同じあの脳幹への鋭い痛みに襲われた。 続けてキイイイン!と言う甲高い耳鳴りが聞こえ始めた。 続けて全身の筋肉が急檄…

(第10章)脱走

(第10章)脱走 「ふわあーあっ!」 NGO組織テラセイブの本部に 朝の7時頃に出勤したモイラ・バートンは大欠伸した。 そこにテラセイブに勤務する同僚の男が物珍しそうにモイラを見た。 「珍しいな?寝不足か?」 「うん、色々あってさ、昨夜」 モイラ…

(第9章)美術

(第9章)美術 翌朝。 ニューヨーク・セントラルパークの東端に位置するメトロポリタン美術館。 この世界最大の美術館には絵画、彫刻、写真、工芸品他、 家具、楽器、装飾品等300万点の美術品を所蔵していた。 それ故、全館を1日巡るのは難しい程の規模…

(第8章)侵入

(第8章)侵入 傷だらけな上にあられもない恰好をしたモイラを乗せた緑のハーレは マンハッタン・タイムズスクエアの裏路地の道路を走り続けていた。 しかし緑のハーレが街の道路を走る度に冷たい風が 魔獣ホラーパズズの手によって両乳房が 露わにされたモ…

(第7章)手術

(第7章)手術 ニューヨーク・マンハッタンの摩天楼の中心にある聖ミカエル病院の 精神科に勤務するマルセロ・タワノビッチは様々な症状に苦しむ患者の為に 全力で治療に取り組み、過密な仕事を 真面目にこなす優秀な精神科医だった。 しかも彼は他の精神科…

(第6章)怨念

(第6章)怨念 白いコートの男は白いコートの内側から赤い鞘を取り出し、 銀色の輝く剣を引き抜くと外国製の人形に向けた。 外国製の人形は青い宝石のような瞳で白いコートの男を睨みつけた。 やがて耳まで裂けた大きな口を開いた。 そして無数の鋭利な牙を…

(第5章)人形

(第5章)人形 真夜中、ニューヨークのマディソン・スクエアの表通りを 急いで帰路に着いている白い上着に赤いシャツを着た 茶髪の短い髪の女性が早足で歩いていた。 名前はクレア・レッドフィールド。 彼女はNGO団体のテラセイブで働いているごく普通の…

(第4章)同化

祝・バイオハザードシリーズ生誕20周年記念。 (第4章)同化 そこから場所が変わってニューヨーク・グランドセントラル駅。 グランドセントラル駅の改札口を過ぎ、5人の男達が 真っ黒なガスマスクと黒い服を着て、何かの準備をしていた。 そして5人の男…

(第3章)捕食

(第3章)捕食 ニューヨーク市・マンハッタンにあるとある2階建ての家。 「もっ……もしもし?」 一人の背の高い美しい金髪の女性のケイトが 自宅の電話の受話器を手に取り、恐る恐る話しかけた。 そして電話から愛らしい女の子の声が聞えて来た。 ケイトは…

(第2章)野獣

(第2章)野獣 「ウニャアアアアアアッ!」 異形の戦士に変身したジルはまるで獣のような凄まじい咆哮を上げた。 モイラはただ茫然と仮面を被り、 異形の姿に変身したジルの背中を見ていた。 ふとモイラは異形の姿に変身したジルの背中を見ている内に。 ジ…

(第1章)仮面

(第1章)仮面 真夜中、ニューヨーク市・マンハッタン・タイムズ・スクエア の裏路地にあるカラス・メリン・リーガン教会前を 仕事が夜遅くまでかかり、急いで帰路に着く 黒い上着と白いシャツを着た若い女性が早足で歩いていた。 彼女の名前はモイラ・バー…

(序章)白蛇

(序章)白蛇 ニューヨーク市・マンハッタン。 ある日の深夜、911緊急通報センターに緊急の通報が掛って来た。 「はい、こちら911です」 通報して来たのは若い男だった。 しかも何かに怯えて血迷った様に叫び続けていた。 「落ち着いて下さい!住所と…