WPSゲーム・バイオハザードブラッディローズ

(第26章)最悪の落とし穴

(第26章)最悪の落とし穴 「『R型』とクレーマータックが共謀?どう言う事だ!」 「2人は密かに繋がっていたんだ! そこを動かないでくれ!私がメールで送る!」 間もなくしてクエントの端末機に何かがメールで送られた。 烈花もただならぬ出来事にクエ…

(第25章)生物学的に貴重な映像

(第25章)生物学的に貴重な映像 烈花は2階の個室の反対側にある寝室の2つのベッドの内、 右側のシーツの上に置かれていた 『ケイト・ブランジェット』の手記を読み始めた。 ケイト・ブランジェットの手記配下の通り。 「あたしは反メディア団体ケリヴァ…

(第24章)孫へのメッセージ

(第24章)孫へのメッセージ 昆虫の標本をじっと見ていたクエントは2階の個室の 机の上に置かれた書き掛けのメモを確認した。 しかし残念ながら特に今回の『R型』暴走事件の 手掛かりになりそうな内容では無かった。 ふと烈花が何かを思いついた様子で静…

(第23章)事故

(第23章)事故 烈花とクエントは茶色の扉の赤いカーペットが敷かれた コの字型の長い廊下を走り続けた。 そして2人の背後を20cm余りの緑色の短い蔦状の 植物の蛭の群体が執拗にまるで巨大な津波の様に追い続けていた。 しかも余りの勢いにより、天井…

(第22章)孤独

(第22章)孤独 烈花とクエントは一度、食堂を出て、また大ホールに戻った。 2人はしばらく一階部分を調べようか2階部分を調べようか迷った。 そしてクエントは「2階のテラスを調べてみよう」と提案したので 烈花はそれを受け、正面の階段を昇り、2階…

(第21章)音楽の謎解き(後編)

(第21章)音楽の謎解き(後編) クエントと烈花はしばらくバーの 不自然に置かれた棚の前で考え込んでいた。 間もなくしてクエントが動いた。 「もしかして?」 クエントは不自然に置かれた中位の本棚に近づいた。 続けてクエントは右肘を中くらいの棚の…

(第20章)音楽の謎解き(前編)

(第20章)音楽の謎解き(前編) 洋館の大ホールに残ったクエントと烈花はとりあえず 新しい情報と例の殺人鬼クレーマータックについて報告する事にした。 勿論、『R型』の捜索はとりあえずその後にした。 「こちら!ジャッカス!どうぞ!」 「こちら!ス…

(第19章)殺人鬼クレーマータック

(第19章)殺人鬼クレーマータック アークレイの森の呪われた洋館で『R型暴走事件』が発生する9カ月前。 ニューヨーク市内の秘密組織ファミリーの 本部に当たる大きな屋敷の地下室。 この屋敷の主にして秘密組織ファミリーの長である ジョン・C・シモン…

(第18章)遊戯(ゲーム)

(第18章)遊戯(ゲーム) 烈花は悔しそうに顔を歪め、苛立ちを募らせた。 「落ち着いて下さい!『R型』は私とゾイさんが 目覚めた時には既に逃げ出していました!」 「すまん!力になれなくて……」 ゾイは罰悪そうにクエントの顔を見た。 「いいえ!貴方…

(第17章)戦車

(第17章)戦車 ゾイの力強い言葉に烈花とクエントは安心したのか? クエントと烈花は「ありがとう」と口を揃えてお礼を述べた。 しかし急に洋館の大ホールに冷たい一人の女の子の声が聞えた。 「ありがとう?ふざけないでよ!あのケリヴァー達は! あたし…

(第16章)不倫

(第16章)不倫 アークレイの森の呪われた洋館で『R型暴走事件』が発生する11年前。 秘密組織ファミリーの長のジョン・C・シモンズは 自分の大きな屋敷にある一人の女友達を自分の部屋に招いていた。 その女友達はそしてウェーブが掛った茶髪に茶色の瞳…

(第15章)政治とカネ

(第15章)政治とカネ 洋館の大ホールでゾイ・ベイカーは話を続けていた。 「私はあんた達、いやBSAAやブルーアンブレラに借りがある。」 「じゃ!貴方が?同盟の情報提供者ですね!」 「それじゃ!1998年製のタイプライターが置いてある木の机の…

(第14章)孵化

(第14章)孵化 HCFの回収ヘリ内。 リーは楽しそうにダ二ア・カルコザ博士の熱心な話を聞き続けていた。 「自然界だとカタツムリ、アメフラシ、 ミミズが代表的な雌雄同体の生物ね。 カタツムリやミミズは身体に前後に並んで雄性器と雌性器があるの。 …

(第13章)進化

(第13章)進化 2mのタイラントと化したマルクスの肉体はあっと言う間に 腐り果てて完全に崩壊して行き、やがて死亡した。 烈花とクエントはその様子をただ茫然と見ていた。 しかし二人はリーの背後でパキンと言う 物音が唐突に聞えた事で我に返った。 …

(第12章)追撃

(第12章)追撃 ゾイ・ベイカーは静かにタイラントに向かってこう言った。 「まだ少しくらいは自我があるだろ?ねえ?マルクス・ウォーレン」 するとタイラントは再び大きく獣のように咆哮した。 「知っているよ!あんた元ニューヨーク市警だったな? お前…

(第11章)AI(人工知能)

(第11章)AI(人工知能) 「やっぱり俺達が早く来てT-エリクサー ワクチンを投与して助かったかも知れない。」 ティモシー・ケインの遺書を読み終わった烈花はぽつりとつぶやいた。 しかし隣にいたクエントは烈花にこう優しく語りかけた。 「残念です…

(第10章)遺書

(第10章)遺書 洋館・甲冑の間。 クエントはしばらく間を置いて緑色の大きな扉の前の外側から ジェネシスで甲冑の間の部屋内に 毒ガスが充満していないか分析して確認した後、 再び二人は緑色の大きな扉を開け、甲冑の間に入った。 「しっ……死ぬかと思っ…

(第9章)押すなよ、絶対押すなよ。

(第9章)押すなよ、絶対押すなよ。 烈花とクエントはスーザンに続く生存者に成り得たであろう ブラディ・サイラスを助けられず、死なせてしまい、大きく落胆し、 憂鬱な気分のまま洋館の一階の大きなホールまで戻っていた。 その時、1998年製のタイプ…

(第8章)大人の責任

(第8章)大人の責任 洋館の一階にある大きなホールの大きな階段の右側に 1998年製のタイプライターが置いてある 木の机の傍に一人の謎の女性がポツンと立っていた。 その謎の女性は無線で誰かと連絡を取っていた。 恐らくカブトムシの仮面をかぶってい…

(第7章)繁殖

(第7章)繁殖 「これも『R型』の仕業なのか?」 「いや、分りません……どうでしょうか? 円形の大きな部屋の壁には多数の反メディア団体ケリヴァー と思われる成人男性の遺体が大量の透明でネバネバした 粘液に包まれた繭になって糊の様に貼り付けられてい…

(第6章)遭遇

(第6章)遭遇 2人は食堂の先の木の床が長々と続く廊下に出た。 その時、下の方に続く廊下の先で物音が聞えた。 烈花とクエントは無言でそれぞれ武器を構えた。 そして慎重に下の方に続く廊下を歩き、先へ進んだ。 下の方の廊下は短く、その先は曲がり角に…

(第5章)種と卵

(第5章)種と卵 烈花とクエントはそれぞれ武器を構え、慎重に先へ進んだ。 間もなくして大きな四角い構造の長い廊下の右側中央の位置に 開きっ放しの豪華な装飾品が施された ドアの付いた部屋がひとつだけ見えた。 そこでクエントはまずはこの開きっ放しの…

(第4章)洋館

(第4章)洋館 スーザンによる事件発覚から約10時間後。 BSAAエ-ジェントの烈花とクエントを乗せた BSAAの特殊車両車は緑の木々に覆われた 森の中の岩に覆われた整備されていない道を走り続けていた。 運転しているのが坊主頭の男性の BSAA…

(第3章)復讐

(第3章)復讐 スーザンによる事件発覚の10時間前、 反メディア団体ケリヴァーのメンバーだった シイナ・カペラの身に起こった洋館内の忌まわしい出来事(つづき)。 『R型』も人型の植物の怪物もいない安全な物置部屋。 カペラは先程、人型の植物の鉤爪…

(第2章)脱出

(第2章)脱出 アメリカ合衆国中部・ラーテルシティの公園の広場に設置された 隔離室内の小さな質問室で行われたスーザン氏による 反メディア団体ケリヴァーのリーダーの若村氏についての証言。 「クエントの質問・貴方の身に起こった出来事はまだ話せない…

(第1章)電話

(第1章)電話 2030年。6月の初夏。 アメリカ合衆国中部。アークレイ山脈。 自然豊かであり、かつては登山者も多かった。 しかし現在は多国籍企業アンブレラ社によるウィルス実験を 行う洋館やアークレイ研究所の存在、更にウィルス実験に 使用されて…